PGAツアーの年間王者を争うフェデックスカップ・プレーオフ第2戦「BMW選手権」が、ミズーリ州のベルリーブCC(7,448ヤード・パー70)で開幕した。初日は、ゲーリー・ウッドランド、ウィンダム・クラーク、ローリー・マキロイ、J・J・スパーンといったメジャーチャンプたちが6アンダーで首位タイにひしめき合う、極めてハイレベルな混戦模様となった。その熾烈なリーダーボードの中で、日本の久常涼が首位と1打差の6位タイ(5アンダー)という見事な好発進を決めた。現在ポイントランキング45位の久常にとって、最終戦「ツアー選手権」へ進むには今週「3ウェイでの2位以上」という極めて厳しい条件が必要とされる。その崖っぷちの中で見せたこの初日のロケットスタートは、過酷なサバイバルを勝ち抜くための大きな一歩となった。一方で、エースの松山英樹は2オーバーの44位タイと出遅れる結果に。明暗が分かれた日本勢2人の初日を、公式スタッツから紐解いていく。

パーオン率とスクランブリングが生んだ久常涼のノーボギー

画像: 初日65をマークした久常涼(写真は2026年トゥルーイスト選手権)

初日65をマークした久常涼(写真は2026年トゥルーイスト選手権)

久常は初日、2番ホールから5番ホールまでの間に3つのバーディを奪うなど、計5バーディ、ノーボギーの「65」をマークした。

この見事なスコアを支えた最大の要因は、「アイアンショットの精度」と「鉄壁の守り」にある。グリーンを狙うショットのスコア貢献度を示す「SG: Approach to Green」は+2.25で、堂々の全体4位。さらに、パーオン率も77.78%(全体9位タイ)と高い安定感を誇り、次々とチャンスを演出した。

そして特筆すべきは、数少ないピンチで見せたリカバリー力だ。グリーンを外した4ホールのスクランブリング(リカバリー率)、および1回のバンカーセーブ率を、すべて「100%」で乗り切ってみせた。ショットでチャンスを作り、外しても確実にパーを拾う。この隙のないプレースタイルが、強豪ひしめくフィールドでのボギーフリーラウンドに直結したのである。

松山英樹と絶対王者を苦しめたグリーン上の壁

画像: 44位タイで2日目を迎える松山英樹(写真は2026年トゥルーイスト選手権)

44位タイで2日目を迎える松山英樹(写真は2026年トゥルーイスト選手権)

一方の松山英樹は、序盤の4番(パー4)で痛恨のダブルボギーを叩くと、12番でもボギー。バーディは7番の1つにとどまり、「72」の2オーバーで44位タイと苦しい滑り出しとなった。

データが示す出遅れの要因は、明確に「パッティング」にある。パーオンしたホールの平均パット数(Putts per GIR)は「2.00」で全体50位タイ(最下位)。グリーン上でのストローク貢献度(SG: Putting)も「-0.856」で全体33位と沈んだ。ショットのスタッツ(SG: Approach to Green -1.11 / 全体38位)も本調子とは言えないが、それ以上に、せっかくのチャンスをグリーン上で決めきれず、我慢のゴルフを強いられたことがスコアに響いた。

なお、今季圧倒的な強さでツアーを席巻している世界ランク1位のスコッティ・シェフラーも、初日は松山と同じ2オーバー(44位タイ)と苦戦を強いられた。それもそのはず、ベルリーブCCのグリーンは20フィート(約6メートル)以上のパット成功率がわずか「6.41%」という、ツアーでも屈指の難所で、初日の大きな“壁”として立ちはだかった。

久常涼は1打差6位!松山の反撃は

今大会がBMW選手権初出場となる久常は、初優勝を飾れば1940年以降で本大会初勝利を挙げる13人目の選手となる。その歴史的快挙への挑戦権を、自らの「鉄壁の守り」で引き寄せた。

グリーン上でのフィーリング修正が急務となる松山の巻き返しと、過酷な条件を乗り越えて歴史に名を刻もうとする久常の挑戦。ベルリーブCCを舞台にした熱戦から、目が離せない。

写真/岩本芳弘


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