57歳の深堀圭一郎。65歳への逆算ゴルフ人生と過酷なトレーニング

65歳、70歳までツアープレーヤーとして活躍できるようにトレーニングに励んでいるという深堀
金谷 私の人生を18ホールに例えると56歳の今はちょうど後半の10番ホールを終えて、11番ホールに入ったところです。57歳(今年58歳)を迎えられた深堀プロは、ご自身のゴルフ人生をどう逆算されていますか。
深堀 正直に考えているところは不確定で、本当にプレーヤーとしてあと何年できるかという最終段階に入っている。僕がゴルフを始めたのが3歳で、競技に初めて出たのが11歳でした。競技者からプロゴルファーになり、今はシニアでプレーしている。一番上の年齢でプレーヤーとして勝負できているのは倉本(昌弘)さんくらいなんですよ。今年71歳になられてね。あとの先輩方には大変申し訳ないけど、シニアツアーに出ているけど「優勝」というよりも参加している方が多く、倉本さんの次の世代で誰かって言ったら尾崎直道さんだったり、70歳前後なんですよ。とすると僕も50代後半を迎えて、最終段階を70歳だとすると十数年。自分がゴルフと出合い、ゴルフで人生を作ることができ、いろんな経験ができて、それは自分のプレーヤーとして磨きをかけ、人として成長させてもらうことになった可能性のなかで、あとそれしか時間は残されていない。だから焦りと怖さと、体がどう動くかっていうこと、そして最後自分の心が満足を得られるか、ということをいま本当に考えているんです。だから動ける身体でいたい。
金谷 その焦りと怖さに向き合いながら、具体的にどのような目標を設定されているのでしょうか。
深堀 最初は60歳で、シニアに入った50代前半の距離を維持できることがまず1つのターゲットだった。60歳になってもある程度の距離を、というのがあったんだけど、60歳って目の前じゃないですか。でも何とか65歳まで競技者として「ワンチャン優勝狙えるんじゃないか」という気持ちでいられる自分があって、今年また身体を一生懸命作り直しているんです。
金谷 現在はどのようなトレーニングや調整をされているのですか。昨年末から体調を崩されていたと伺いましたが。
深堀 そうです。12月の終わりくらいからちょっと自分の中でいろんなものが重なって動かなくなってしまって。それで体作りが後回し後回しになって、始めるといきなり疲れるしで大変だった。それからいろんな方法をまた試し、やり直し、新しくクラブとの出合いを探したりという時間に半年近く費して、やっとフィールドプレーヤーっぽくなってきた。これからもうちょっとプレーヤーで戦えそうです。今自由に気持ちよくやっている宮本勝昌とかのようにね(笑)。宮本にこの前「いま戦ってるプロは誰か」と聞いたとき、最後に僕の名前が出てきた、「あ、深堀さんもいたかな」って冗談言いながらね(笑)。パッと「深堀さん」と言われるような選手にもう1度なりたいし、もう1回やりたい。もうちょっとプレーしたいかな、というのはあります。過酷ですが、イチからの作り直しと泥臭い調整が、今まさに競技者としての自分を支えているんです。
"11番ホール"から始まるプレーヤー人生

今後プロゴルファーとして競技ゴルフに出場するという金谷氏
深堀 ところで金谷は今後、プレーヤーとしてフィールドに戻る日はあるの?
金谷 引退はしてませんけどね(笑)。プレーヤーとしては一旦休憩中です。何年後かにシニアで出たいんです。それを目指して復帰に向けて練習中です。僕は30歳から20年間仕事をして、またプレーヤーとしてやろうと思っています。今、56歳になるんですけど片手間ではできない。人生のハーフターンを過ぎ、11番ホールから始まるこれからの人生では、経営をしっかりやり遂げたうえで、再び競技者としての高揚感に包まれる時間を逆算して作っていきたいと思っています。深堀プロはプレーヤーでありながら解説をされることもありますよね。
深堀 解説は本当に大変な仕事で、いい加減にやれない。いろんな解説者がいるけど、僕としてはフィールドプレーヤーでありながら解説する側に回るということが大切だと思っているんです。自分がその選手の体のなかに入って戦っているように。そこで僕がプレーしたような感覚で感じたものを言葉にして伝えたいとか、プレーヤーであり解説できる人でありたいというのが僕のスタイルなんです。インタビューをやらせてもらうことがあるんだけど、選手が今何を考え、どういうゴルフ界にしたいかっていうときに、言葉足らずな選手がいるので、僕の言葉で選手たちが伝えたいことを伝えられるきっかけになればいいなっていうのもあります。
──次ページでは、ゴルフというスポーツが持つ「掛け算以上のエネルギー」と、金谷が描く今後のビジネスの壮大な野望に迫る。
