今年で24回目を迎えた岩手県オープンの大会主催者であり、実業家へと転身した異色のプロゴルファー金谷嶺孝。今回は金谷が学生時代から憧れ続け、精神的な師匠と仰ぐツアープロの深堀圭一郎と、ゴルフの哲学、そしてお互いの人生のバックナインをかけた「逆算のゴルフ人生」について語り合う。【全2回・後編】

失敗を糧に。掛け算以上のエネルギーを持つゴルフの力

金谷 お互いに進むフィールドは違っても、ゴルフが好きで、ゴルフを盛り上げてゴルファーを増やしたいという根底の想いは共通しています。ゴルフというスポーツが持つ力は、ビジネスや社会生活でも計り知れない強みになりますね。

深堀 ゴルフはすごい力ですよ。ゴルフはメジャースポーツ、ナンバーワンです。日本では野球とかサッカーとかあるけど、いろんなものの縁やその関係性を近づけてやれるものってゴルフが一番だと思うんです。例えば孫正義さんとの縁。何度か一緒に回らせてもらったりしていますが、普通では会えない。それが一目置かれるって言ったらあれだけど「深堀さん」ってちゃんと見ていてくれる。その可能性があるスポーツってゴルフしかないと思うんですよね。他の競技もすごいエネルギーとパワーはあると思うんだけど、ゴルフには独特のエネルギーがあるから、やっぱりやるならちゃんとゴルフとしっかり向き合って、それでちゃんとやっておくことによって次の自分たちのエネルギーになる。ゴルフは足し算じゃなくて掛け算以上の計り知れないエネルギーを持っているので、携わってよかったなと思います。そして何より、やることに対して本気になって失敗できることじゃないですか。失敗することによって次の道が分かるし、いい加減にやっていたら失敗も分からない。失敗するから「じゃあ次どうしよう」、その繰り返しだからちゃんとやっていれば無駄なことはないんです。だから失敗を積み重ねられる人が人生の成功者に近づく可能性があるんじゃないかなということですね。

金谷 おっしゃる通りです。失敗するからこそ、その理由が分かり、次の修正方法が見えてくる。ビジネスもまさに、その失敗と修正の繰り返しです。このゴルフの魅力を発信し、1人でも多くのゴルファーを増やしていくことが、私たちの世代の使命ですね。

深堀 失敗を恐れずに現場に出て感じ、経験の数を多くしていくこと。プロやジュニアがいて、レギュラーがいて、シニアがいて、3世代にわたってそれぞれの楽しさを生涯にわたって追求できることこそがゴルフの素晴らしい姿。これからもお互いのフィールドで、ゴルフの持つ力を次の未来や若い世代へつないでいきましょう。

所有コースを名コースへ

画像: 来年50周年を迎える栗駒ゴルフ倶楽部

来年50周年を迎える栗駒ゴルフ倶楽部

金谷の「劇場(インフラ)」をめぐる逆算の挑戦は、岩手の2コースに留まらない。現在は「きたかみ」と「栗駒」をプロデュースしているが、今後はさらに3〜4コースへと所有を増やし、メインコースとして関東方面へ進出する構想を描いている。これに伴い、支配人やグリーンキーパー、料理人など、各部門の「プロフェッショナルな人材」を自ら育て上げ、新たにコースを買収する計画を持っている。

目標は、来年(2027年)ちょうど50周年を迎える栗駒ゴルフ倶楽部をはじめとする自社コースを、以前『チョイス』(ゴルフダイジェスト社)で掲載されていた『日本のゴルフ場100選』に選ばれるような名コースへと昇華させ、関東・関西からもプレーヤーが足を運ぶ「憧れの舞台」を作り上げることだ。「自前の劇場」というゴルフ場を持つことで、日本のゴルフ界全体に新しい風を吹き込む金谷。その逆算のビジョンは、コースという「舞台」そのものの価値を底上げしながら、岩手県オープンというひとつの「劇場」を継続し、ゴルファーの拡大、ゴルフ界発展に尽力していく。


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