グリーン周りのSG「+2.11(全体3位)」と粘り強さ
金谷の起死回生の生還劇を支えたのは、持ち味であるショートゲームの精度と強心臓ぶりだった。公式スタッツがその見事な技術力を証明している。
グリーン周りの貢献度を示す「SG: Around The Green」において、金谷の第2ラウンドの数値は「+2.110」を叩き出し、出場選手中「全体3位」という驚異的な記録を残した。
また、グリーンを外した際のリカバリー率(Scrambling)も「83.33%(5/6)」で全体19位タイと、ピンチをことごとくパーで凌ぐ粘り強さを発揮。さらにこの日は、パー5の14番ホールで価値あるイーグルを奪取しており、この見事なショートゲームとビッグプレーの融合が、カットライン突破への強烈な起爆剤となったことは間違いない。
フェアウェイキープ率92.31%とパッティングのV字回復

フェアウェイキープ率はPGAツアー屈指の金谷拓実。グリーン周り&パッティングが好調なら一気に上位進出も(写真は26年SanSan KBCオーガスタ、撮影/姉崎正)
初日もフェアウェイキープ率84.62%(11/13・18位タイ)とティーショット自体は安定していたものの、パーオン率が44.44%(123位タイ)とアプローチショットおよびパッティング(SG: Putting -1.906・115位)で苦しんでいた金谷。しかし第2ラウンドでは、フェアウェイキープ率が「92.31%(12/13・全体9位タイ)」とさらに高まり、ほぼ完璧なライからセカンドショットを打てたことでパーオン率が66.67%(34位タイ)へ大幅に改善。さらに、パッティングの貢献度(SG: Putting)も初日の「-1.906(115位)」から「+0.921(26位)」へと劇的なV字回復を果たした。
この精密なショット&パットに「ノーボギー」という驚異的な集中力が加わり、14番での圧巻イーグルを呼び込んで「66」の大逆転劇を生み出したのだ。
ティーショットの更なる精度向上と、伝家の宝刀であるグリーン周りの圧倒的なリカバリー力、そしてV字回復したパッティング。これらが見事に噛み合った結果が、「66」という最高のスコアへと実を結んだ。
他の日本勢との明暗と決勝ラウンドに向けた展望
初日32位タイ(3アンダー)と好発進を決めていた平田憲聖が「79」を叩いて後退し、中島啓太(通算2アンダー・1打及ばず)、久常涼(通算イーブンパー)と上位〜好位置にいた3名が相次いで予選落ちを喫するシビアな展開の中、後方112位タイから唯一1人だけ捲り上げて週末に残った金谷拓実。土壇場からの圧倒的な粘り強さで、見事に週末のプレー権を掴み取ってみせた。
土曜日の第3ラウンドは悪天候(雷雨)が予想されており、ティータイムも前倒しされる変則的なスケジュールとなっている。タフなコンディションになればなるほど、全体3位を記録した金谷のグリーン周りの真価がさらに活きてくるはずだ。日本勢の孤軍奮闘となる週末、金谷のさらなるリーダーボード浮上に大きな期待がかかる。
