イリノイ州のメダイナCC No.3を舞台に開幕する2026年「プレジデンツカップ」。その初日、大会の行方を占うフォーボールマッチ(2人がそれぞれ自分のボールを打ち、ホールごとに良い方のスコアを採用する形式)の組み合わせ発表は、日本のゴルフファンにとって最高に胸が熱くなる展開となった。

伝説の「丸山&尾崎」以来!28年ぶりの日本人ペア結成

世界選抜のジェフ・オギルビー主将が第2マッチで指名したのは、松山英樹と久常涼の“日本人タッグ”だ。

プレジデンツカップにおける日本人同士のペア結成は、1998年大会で2戦全勝(※丸山個人は5戦全勝)と大爆発し、世界選抜を歴史上唯一の勝利に導いた丸山茂樹&尾崎直道ペア以来、実に28年ぶりの快挙となる。日本代表として史上7人目の出場者となった24歳の久常涼と、チームを牽引する絶対的エース・松山英樹のコンビが、勝利への大きな重圧がかかる重要マッチに挑む。

迎え撃つ米国選抜は、ブラント・スネデカー主将が送り出すキャメロン・ヤングと2024年メジャー2勝の王者ザンダー・シャウフェレという超強力ペア。しかし松山には、前回2024年大会(モントリオール)のフォーサムズにてイム・ソンジェと組み、シャウフェレ&カントレー組を「7&6(12ホール決着)」という大会史上最大差タイ記録で完勝した強烈な実績がある。

「ヒーローの隣で」憧れを力に変えるルーキー久常涼

ルーキーの久常にとって、松山は単なるチームメイトや先輩という枠を超えた特別な存在だ。開幕前の公式会見で松山と同組になる可能性について問われた久常は、「もちろん、そうなることを願っています」と即答していた。

「ジュニア時代からずっと彼を追いかけてきました。プレジデンツカップという特別な舞台で、憧れの彼と一緒にプレーするのは、僕の夢だったんです」

国を背負って初めて挑む大舞台では、通常のツアーとは比較にならないほどのプレッシャーがのしかかる。しかし久常は「松山さんと一緒なら、緊張よりも安心感のほうが大きいです」と全幅の信頼を口にする。

「彼には本当に勇敢なところがありますから。一緒ならより自分自身を信じられるし、ずっとリラックスして快適にプレーできるはずです」

自身の強みであるティーショットの正確性を武器に、長年のヒーローの隣で怯むことなく自分のゴルフを貫く覚悟だ。彼らが共有する確かな信頼感が、強敵に立ち向かう最大の武器になる。

原点の記憶を胸に――熟知したメダイナで魅せるエースの背中

一方、今回が実に7回目の出場となるベテランの松山英樹は、初陣の熱気に包まれる若手とは対照的に、静かな闘志を内に秘めていた。

開幕前の会見で大会での一番の思い出を問われた松山は、「初出場(2013年)の18番で見せたセカンドショットですね。今でもSNSでよく流れてきます」と笑みをこぼした。21歳で震えるほどの重圧のなか放ったあの一打から13年。かつて憧れの舞台で放った「原点のショット」を胸に刻むエースは、今や追われる立場となった。

チーム内でのメンターとしての役割を問われると、「英語の壁もあるので、アダム(・スコット)のようなリーダーになるのは難しいです」と謙遜しつつも、「みんなの邪魔にならないようにしながら、彼らが自分たちらしいプレーをできるようにサポートしたい」と語った松山。

松山は2019年にここメダイナCC No.3で開催された「BMW選手権」で単独3位に入っており、コースの罠やグリーンの傾斜を誰よりも熟知している。揺るぎない経験とコースとの抜群の相性を武器に、背中で若き久常を引っ張っていく。

画像: 初日から日本人ペアがメダイナで大暴れしてくれるはずだ!(写真は26年WMフェニックスオープン)

初日から日本人ペアがメダイナで大暴れしてくれるはずだ!(写真は26年WMフェニックスオープン)

熱きケミストリーが歴史を切り拓く

初日から日本人ペアがメダイナで大暴れしてくれるはずだ。

年齢もこれまでの経験も全く異なる2人だが、今は「世界選抜の勝利」のために戦うというひとつの大きな目標で強く結ばれている。憧れを力に変える若き久常涼と、無言のプレーでチームを鼓舞し支える松山英樹。米国選抜の強敵を相手に、メダイナの地でこの“日本人タッグ”がどのような熱きケミストリーを生み出すのか。歴史的なティーオフの瞬間が待ちきれない。

写真/岩本芳弘


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