3日目を終えて通算スコア10.5対7.5と、世界選抜(インターナショナルチーム)が3ポイントのリードを保って迎える2026年「プレジデンツカップ」最終日。全12マッチが行われるシングルス戦の対戦表(ペアリング)で世界選抜を率いるジェフ・オギルビー主将が「第1マッチ(Match 19 / 11:02発)」にトップバッターとして指名したのは、チーム最年少24歳のルーキー・久常涼だった。

なぜルーキーが「トップバッター」なのか?

対戦相手は、米国選抜が誇る屈指のハードヒッター、キャメロン・ヤング(PGAツアー3勝)。1998年以来となる28年ぶりの悲願達成に向け、最も重要な口火を切る「切り込み隊長」の重責が、日本の若武者に託された形だ。

シングル戦において、第1マッチの果たす役割は単なる「1ポイント」にとどまらない。リーダーボードの最上段に世界選抜のシンボルカラーである黄色(ゴールド)を点灯させることができれば、コース上に散らばる後ろの11人のチームメイトに絶大な勇気と勢いをもたらすからだ。

オギルビー主将が久常をトップバッターに抜擢した背景には、固い意図と信頼がある。

第一に、久常が見せた強心臓と度胸だ。大会初日の1番ティーで「手が震え、心臓が破れそうだった」と振り返りながらも、見事なティーショットでフェアウェイを捉え、松山英樹とともに見事な勝利を挙げた度胸を指揮官は高く評価している。第二に、コンディション面での優位性だ。3日目(土曜日)午後のフォーサムを休養(温存)に充てたことで、久常は体力・集中力ともに100%のフレッシュな状態で日曜日の朝を迎えることができる。

逆転を狙って前半から総力戦を仕掛けてくる米国選抜に対し、物怖じしないルーキーをぶつけることで、相手の出端を挫く格好のストッパーとしての期待も込められているのではないか。

キャメロン・ヤングとの再戦と「水一口」ルーティン

対戦相手のキャメロン・ヤングとは、初日のフォーボール(ヤング&シャウフェレ組)でも相まみえ、3&1で撃破した再現の対戦カードとなる。ヤングの圧倒的な飛距離に対し、久常は自身の武器である正確なショットで対抗する構えだ。

極限のプレッシャーがかかる大一番で、久常の精神を支えるのは、5年前から実践している「緊張した時にごく少量の水を一口だけ含んで気持ちをリセットする」というルーティンだろう。

プレジデンツカップ独特のアウェイの大歓声と緊張感を一身に浴びながら、いつものように水を一口含み、メダイナの1番ティーへと向かうはずだ。

歴史的勝利へのカウントダウンを刻む一打

画像: 初日のフォーボール。3&1でヤング&シャウフェレ組に勝利後のインタビューに応える松山英樹と久常涼。最終日、チームの勝利後、2人のこのような笑顔が見たい

初日のフォーボール。3&1でヤング&シャウフェレ組に勝利後のインタビューに応える松山英樹と久常涼。最終日、チームの勝利後、2人のこのような笑顔が見たい

「自分のゴルフをしてチームの勝利に貢献したい」

初日終了後、そう意気込んだ久常涼。後半戦に控えるエース松山英樹や、最多57マッチ出場のベテラン、アダム・スコットへ最高のバトンを渡すため、日本の新星が放つ第1打が、世界選抜28年ぶりの歓喜へ向けたカウントダウンの号砲となる。

写真/Getty Images


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