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西村優菜、米女子ツアー初V!2位の岩井明愛と憧れの選手に5打差圧勝【米女子ツアー】
CMEランク103位——崖っぷちから「TOP40」への劇的ジャンプアップ
今シーズンの西村は、決して順風満帆ではなかった。今大会を迎えるまで16試合に出場し、実に9度の予選落ちを経験。CMEポイントランキングは103位と低迷し、来季の優先出場権が得られる80位以内すら危うい厳しい状況に置かれていた。
「今年は予選落ちが多くて苦しいシーズンだったので、この大会で優勝できたことは驚きでもありますし、夢が叶った瞬間でもあります」
優勝会見でそう胸の内を明かした西村だが、この1勝がもたらした価値はあまりに大きい。優勝賞金45万ドル(約7000万円)を獲得し、一挙に500ptを加算したことでCMEランキングは36位(TOP40)へ爆発的に跳ね上がった。シード権の心配を一気に吹き飛ばし、シーズン終盤のビッグトーナメントへ向けて最高の大逆転劇を演じてみせた。
1打差まで詰め寄られて入った「攻めのスイッチ」
5打リードの単独首位でスタートした最終日。しかし、アンダーハンディキャップが乱立するコースで、前半6番のボギー以降、足踏みが続いた。その隙を突いて猛追してきたのが、この日ボギーフリーの「62」というビッグスコアを叩き出した岩井明愛ら追撃陣だった。
一時はわずか1打差まで詰め寄られたが、西村を支えたのは「自分にブレーキをかけない」という強い意志だった。
転機は8番ホール。グリーン上でリーダーボードを目にし、後続が1打差まで迫っていることを知った瞬間だった。焦りが生じてもおかしくない場面だったが、「不思議とリーダーボードを見たことで気持ちが落ち着き、よりアグレッシブにいこうというモチベーションが湧いてきた」とメンタルのギアチェンジを果たす。
そして11番ホールでは、完璧なアプローチで絶品チップインバーディを奪取。「あのピン位置とバンカーからのショットは、まさに事前に練習していた通りのロケーションでした。もともとバンカーショットが大好きなので、全くストレスなくチャンスだと思って打てました」と明かす通り、練習の裏付けが土壇場での冴え渡る一打を生んだ。
【動画】西村優菜が「あのバンカーからあのピン位置を想定して練習した」と語ったバンカーインバーディ【LPGA公式X】
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x.comさらに14番(パー5)では、迷わず2オンを狙う積極的なラインを選択。鮮やかなイーグルを奪うと、そのまま後続を大きく突き放し、続く15番(パー3)でもバーディ。この時点で目標としていた「20アンダー」に到達した。
グリーン上で弾けたウォーターシャワー——仲間が繋いだ温かい祝福
圧倒的リードで迎えた18番のバーディパット。「最後、もし3パットしちゃったら恥ずかしいなと思ったので、しっかり決めることだけに集中していました」とチャーミングな本音をのぞかせながら、西村は最後まで集中力を切らさずウィニングパットを沈めた。その瞬間、グリーン上には感動的な光景が広がっていた。
早朝にラウンドを終えていた日本の選手たちのみならず、予選落ちした馬場咲希や勝みなみまでも、西村の初優勝を見届けようと18番グリーンに待っていたのだ。ウィニングパット直後、駆け寄った仲間たちから勢いよくウォーターシャワーを浴びせられ、西村の顔には最高の笑顔が弾けた。
「今朝早い時間にスタートした日本の選手たちが、みんな遅くまで残って私のプレーを待っていてくれました。みんなが残って私の試合を見届け、待っていてくれたことが本当に嬉しかったです」
海外で戦う選手同士の強い絆が垣間見えた瞬間だった。
【動画】西村優菜、優勝の瞬間&仲間からのウォーターシャワー【LPGA公式X】
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x.comなぜアーカンソーで日本人が強いのか? 抜群の相性と技術力

西村優菜が米女子ツアー参戦4年目にして初優勝を飾った(写真/LPGA & Getty)
西村の勝利により、ウォルマートNWアーカンソー選手権における日本人覇者は、宮里藍(2012年)、畑岡奈紗(2018年、2021年)に続き3人目(通算4勝目)となった。なぜこれほど日本勢はこの地で圧倒的な強さを発揮するのか。
その理由はコースの特性にある。西村自身が初日のラウンド後に「日本のコースに雰囲気が似ていて好きなコースの一つ」と語る通り、会場のピナクルCCはフェアウェイにゾイシア芝(コーライ芝系)、グリーンにベントグラスが採用されており、日本の選手が普段から打ち慣れているライや感触に近い。さらに、米ツアーとしては比較的コンパクトなコースセッティングは、パワーよりも「フェアウェイキープ」と「正確なアイアンショット(パーオン率)」が要求される。日本のショットメーカーたちの技術が最も活きる舞台なのだ。
今大会でも岩井明愛が最終日に「62」(後半5連続バーディを含む9バーディ・ノーボギー)を叩き出して2位タイへ急浮上したほか、西郷真央が最終日に159ヤードの3番ホールでキャリア初のホールインワンを達成するなど、日本勢がリーダーボードの上位を華々しく賑わせた。なお、西村の優勝により、2006年以降のRolex初優勝者は15人目、ツアー史上24人目の日本人覇者誕生となった。
苦しい壁を乗り越え、自らの手で重い扉をこじ開けた西村優菜。日本女子ゴルフの強い絆と誇りを胸に、26歳のチャンピオンが米ツアーで新たな一歩を踏み出した。

