秋のユタ州を舞台にした「バンク・オブ・ユタ選手権」の初日、ブラック・デザート・リゾート(7421ヤード・パー71)のギャラリーのボルテージを最高潮に引き上げる劇的なプレーが生まれた。主役は、ジョーダン・スミスだ。最終9番ホールは587ヤードあるパー5。しかし、標高約2500フィートの高地に位置し、空気抵抗が少ないブラック・デザート・リゾートでは、普段以上の飛距離が出る。フェアウェイからの第2打、計算し尽くされた完璧なロケーションでスミスが手にしたクラブは、なんと6番アイアン。美しい弾道を描いたボールはグリーン中央に着弾すると、傾斜を勢いよく駆け上がり、そのままカップへと吸い込まれた。今年8月のウィンダム選手権(デービス・トンプソン)以来、ツアー年間を通してもわずか5例目という極めて稀な「アルバトロス」が達成された瞬間だった。

「打った瞬間から完璧だった」——神がかったバイオリズム

「打った瞬間から完璧な感触だった。グリーンで良いバウンドをしてピン方向に向かうのは見えたけど、そこから先はマウンドの向こう側で見えなかったんだ。でも、ギャラリーが両手を挙げて大歓声を上げてくれたから、入ったと分かったよ」

ラウンド後、スミスは興奮冷めやらぬ表情で快挙の瞬間をそう振り返った。

「実は、ツアーでのアルバトロスは今回が初めてなんだ」と明かした彼だが、驚くべきはその“神がかった”直近のバイオリズムだ。今年8月の「ウィンダム選手権」では見事なホールインワンを達成し、「フェデックス・セントジュード選手権」でも劇的なショットインイーグルを記録している。

「ウィンダムでのホールインワン、セントジュードでのイーグル、そして今日のアルバトロス。間違いなく言えるのは、今の自分は何か持っているということだね」

立て続けに飛び出すスーパープレーに、本人すらも自身の絶好調ぶりに驚きを隠せない様子だった。

【実際の映像】ジョーダン・スミスがツアー初のアルバトロス!【PGAツアー公式X】

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上がり3ホールで驚異の「5アンダー」! 同組トッドからの愛あるボヤキ

この日のスミスを覆っていたオーラは、アルバトロスだけにとどまらなかった。

7番(パー5)で着実にバーディを奪うと、続く8番(パー3)でも手前寄りのシビアなピン位置に対し、約9メートル(30フィート)の長距離バーディパットを鮮やかにねじ込んだ。7番バーディ、8番の劇的パット、そして9番のアルバトロス——上がりわずか3ホールで5アンダーを叩き出す驚異の猛ラッシュを見せたのだ。

そんな怒涛の上がりを見せたスミスに対し、同組でプレーしていたブレンドン・トッドから愛のあるボヤキが飛び出した。

「俺だって最後の3ホールは連続バーディで最高の上がりだったんだぞ。それなのに、お前があんなプレーをするせいで、俺たちのプレーが全部台無し(目立たなくなった)じゃないか!」

スミスは笑いながら「確かにみんな良いプレーをしていたんだけど、僕が9番であんなことをしちゃったから、みんなの見せ場を台無しにしちゃったね」と、和やかな舞台裏のやり取りを披露してくれた。

自己ベストタイ「63」をマークし、狙うはシグネチャーイベント出場権

画像: 大会前のランキングが69位のジョーダン・スミス。上位フィニッシュでシグネチャー大会の出場権を獲得できるか(写真は26年全英オープン、R&A提供)

大会前のランキングが69位のジョーダン・スミス。上位フィニッシュでシグネチャー大会の出場権を獲得できるか(写真は26年全英オープン、R&A提供)

この日、自身のPGAツアー自己ベストタイ記録となる「63(8アンダー)」をマークし、首位とわずか1打差の2位タイという絶好の位置につけたスミス。DPワールドツアーから主戦場を移し、PGAツアー初挑戦となった今シーズンだが、すでに環境にもアジャストし、確かな自信を胸に抱いている。

「秋のシリーズでしっかりと結果を残して、来年のシグネチャーイベント(格上げ大会)の出場権を絶対に勝ち取りたい」

奇跡の一打で勢いに乗る男から、この秋は目が離せない。


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