
1926年生まれの100歳。トム・カイトなど名選手を指導した
80年代に日本でもゴルフのレッスン番組やCMに登場。ハンチングを大きくしたような帽子がトレードマークで、教えることにかけては史上最高と謳われたレジェンドだ。
PGAツアーで5勝を誇り1954年には賞金王にも輝いたトスキ。プロがプロを教えるのは苦手(自分ができてしまうから)という定説を覆し、70年近くプロアマ問わず情熱的に指導してきた。
PGAツアーチャンピオンズでプレーするケン・デュークにとってもトスキは恩人だ。06年に出会った頃の彼は30代後半で低迷。PGAツアーのシードさえなかった。しかしトスキがプレーライン(目標方向)に沿ってクラブを振るよう指導した途端、デュークは下部ツアーで賞金王になった。
その後PGAツアーに昇格した彼は13年のトラベラーズ選手権でプレーオフを制し44歳にして初優勝。最終ラウンドの朝、トスキから電話で「今日は66で回れるか?」と尋ねられデュークが「はい」と答えると師匠は「なら勝てるよ」と太鼓判を押した。トスキは自信という大きな翼を弟子に授ける天才だった。
ちなみに彼が初優勝したのは1953年に師匠が初優勝を挙げたのと同じ大会(当時はインシュランスシティオープン)だった。
トスキが82歳になった09年、デュークは「もう一度オーガスタでプレーしたい」という師匠の願いを叶えた。「丘の上の10番ホールでティーショットを打ったあと、私は丘を下ってその雰囲気を味わっていたのですが(トスキは)立ち止まり空を見上げたのです。そして、かつてベン・ホーガンやサム・スニードらとともに戦ったライバルたちにこう語りかけ始めました。『みんな、俺はもう82歳だよ。今どこに立っているか見てくれているか? お前たちも一緒に居たらよかったのに』。そのシーンを見て涙をこらえられませんでした」とデューク。
100歳の誕生日パーティでトスキはタップダンスを披露した。
※週刊ゴルフダイジェスト2026年10月13日号「バック9」より
