前半「29」と後半「オールパー」——金谷拓実が見せた圧巻の修正力とリスクマネジメント

パッティングが向上して6バーディノーボギーのラウンドで予選を通過した金谷拓実(写真は26年SanSan KBCオーガスタ、撮影/姉崎正)
この極限のバーディ合戦の中、日本勢2人の運命はくっきりと分かれた。初日を2アンダー(69)で終えていた金谷拓実は、2日目に「65(6アンダー)」を叩き出し、通算8アンダーの35位タイで見事に予選を突破。一方、初日1アンダー(70)の平田憲聖は、2日目に3バーディ・ノーボギーの「68(3アンダー)」と見事なプレーを見せたものの、通算4アンダー。ボギーを打たずに「68」で回っても予選落ちになるという、PGAツアーの伸ばし合いに屈した格好となった。
見事な巻き返しを見せた金谷のスコアカードとスタッツを見ると、彼の優れた「修正力」が浮かび上がってくる。
インスタートのこの日。10番でのバーディ発進、13番からの3連続バーディを含む計6つのバーディを奪い、ボギーなしの「29」という驚異的な前半ハーフを達成。さらに後半アウトコースでは全9ホールでパー(36)を並べ、1ボギーも叩かずにスコアを維持する見事なリスクマネジメントを披露して「65」で上がり切った。
特筆すべきは、初日の足枷となっていたグリーン上のスタッツの劇的な改善だ。初日「-1.338」とマイナスに沈んでいた「SG: Putting」は、2日目に「+1.088(34位)」へと一気に好転。パッティングが噛み合ったことで、全体の貢献度を示す「SG: Total」も初日の-0.97から、首位争いをする選手たちと肩を並べる「+2.97(12位タイ)」へと一気に跳ね上がった。
さらにフェアウェイキープ率92.86%(13/14)、スクランブリング(リカバリー率)100%(4/4)と、抜群の安定感を保ちながらスコアを伸ばしきった。
「あと2打」に泣いた平田憲聖——求められるパッティングの爆発力
一方、平田憲聖は持ち前のショット精度を存分に発揮しながらも、「あと2打」の壁に阻まれる形となった。
2日目のスタッツを見ると、パーオン率は83.33%(15/18)と非常に高い数値を記録。「SG: Approach to Green」も初日のマイナスから「+0.653(40位)」へと復調し、次々とグリーンを捉えてチャンスを演出していた。
しかし、それをスコアに直結させるための「SG: Putting」が「-0.425(73位)」と振るわず、パーオン時の平均パット数(Putts per GIR)も「1.80(80位タイ)」にとどまった。ショットはしっかりグリーンに乗りながらも決め手となるパットを沈めきれず、結果としてバーディ合戦の波に乗りきれなかった様子が読み取れる。
世界最高峰のPGAツアーでは、正確なショットという強固な土台の上に、パッティングの爆発力が噛み合って初めて「予選通過」という高い壁を突破できる。その過酷な条件を見事にクリアし、アジャストしてみせた金谷拓実。2日目に見せた高水準のゴルフが維持できれば、週末の決勝ラウンドでさらなる順位浮上と上位フィニッシュが十分に期待できるはずだ。
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