圧倒的な「ショット力」と圧巻のバーディラッシュを見せた平田憲聖
平田憲聖の「65」は、まさにショット力でねじ伏せる攻撃型ゴルフの結晶だった。インスタートの出だし10番から12番でいきなり3連続バーディを奪うと、後半アウトの2番から5番にかけて圧巻の4連続バーディを奪取。8バーディ、2ボギーという極めてアグレッシブなラウンドを展開し、バーディ数は全体2位タイを記録した。
そのアグレッシブさを支えたのは、圧倒的なショット精度だ。フェアウェイキープ率は85.71%(12/14)で全体1位タイ。さらに、ティーショットのスコアへの貢献度を示す「SG: Off The Tee」では+1.689を叩き出して全体4位に入っている。ピンチをしのぐのではなく、ティーショットから自らのショット力でアドバンテージを握り、チャンスを量産してねじ伏せるスタイルであったことがデータから明確に読み取れる。
「ノーボギーわずか7名」のタフな戦いで耐えて伸ばした米澤蓮

65をマークし、11位タイで初日を終えた米澤蓮(写真は26年日本オープン練習日)
一方、米澤蓮の「65」は、平田とは全く異なるアプローチで作られた。タフなコンディションの中、全120名の出場選手中でノーボギーでラウンドを終えたのはわずか7名。その狭き門を潜り抜け、6バーディ、ノーボギーという堅実無比なゴルフを展開した。
スタッツを見ると、フェアウェイキープ率は42.86%(6/14)で80位タイにとどまり、ティーショットでは苦しんでいたことがわかる。しかし、それを補って余りあるショートゲームの冴えがあった。パーオンを逃した7ホールすべてでパーセーブを収め、リカバリー率を示す「スクランブリング」は100%(7/7)で全体1位タイを記録。「サンドセーブ(バンカーからのパーセーブ率)」も100%(1/1)で1位タイ、さらにパットの貢献度「SG: Putting」も+1.445(27位)と高い水準を示した。ティーショットの乱れをグリーン周りの高い技術で完璧にカバーし、ボギーを打たない「鉄壁の守り」でスコアを作り上げたのである。
「SG: Off The Tee 5位」が物語る金谷拓実の爆発への助走
そして、3アンダー(44位タイ)で初日を終えた金谷拓実のラウンドも、独自の色を見せた。
米澤とともに「ノーボギー(7名)」を達成した金谷だが、バーディ数はわずか1つ(116位タイ)にとどまった。グリーンを狙うショットの貢献度「SG: Approach to Green」は-1.091(88位)とアイアンの距離感に苦しみ、パットも決まらず16個のパー(全体1位タイ)を並べる耐える展開となった。
しかし、隠れたデータが彼の好調を証明している。ティーショットの貢献度「SG: Off The Tee」は+1.491で全体5位、フェアウェイキープ率も71.43%(8位タイ)、パーオン率も77.78%(12位タイ)とショットの土台は極めて良好だ。スクランブリング100%(4/4)で持ち味の粘りを発揮しつつ、17番(パー5)で鮮やかなイーグルを奪う勝負強さを見せた。パットがひと筋入れば一気に爆発する準備は整っている。
ジンクスが証明する日本勢全員の逆転圏内
同じ「6アンダー」や「ノーボギー」という結果であっても、ショット力でねじ伏せるか、ショートゲームで耐え抜くか、ワンチャンスをものにするか、選手によってそこに至るルートは全く異なる。
ここで興味深い歴史的データがある。PGAツアーの公式記録によると、「過去7大会の歴代覇者は全員、初日終了時点で首位と3打差以上離れた位置から逆転優勝を果たしている」というジンクスが存在する。
現在、単独首位のチャンドラー・ブランシェット(9アンダー)に対し、11位タイの平田と米澤(6アンダー)は「ちょうど3打差」、44位タイの金谷(3アンダー)は「6打差」につけている。つまり、日本勢3名全員が、過去の優勝パターンに合致する射程圏内に位置しているのだ。
数字が示す三者三様のプレースタイルが第2ラウンドでどのように噛み合い、リーダーボードを駆け上がっていくのか。週末に向けた日本勢の躍進に大いに期待したい。
写真/姉崎正
