今年で7回目を迎える「柏オープンゴルフ選手権」が今年も開催されます。「柏オープン」は、柏ゴルフフェスタ実行委員会が主催する千葉県柏市を中心とした“日本一小さなローカルオープン”。オープン競技ですから予選会が開かれますが、こちらは年々参加者が増加、今年は6会場で今もアツい戦いが繰り広げられています。今回はこの柏オープンの一環として開催される「障害者ゴルフ大会」について。

ローカルオープンで進む「障害者ゴルフの真剣勝負化」

今年は10月4日・5日に紫CCあやめC(EAST)で「第2回柏パラゴルフ選手権」が行われました。日本障害者ゴルフ協会(DGA)と実行委員会との共催で世界障害者ゴルフランキング「WR4GD」の対象試合でもあります。

実行委員会ゼネラルマネジャーの薬師寺輝さんは、「2回目を迎えることができました。少しずつ成長していけばいいなと思っています。(障害者ゴルフの中でも)上級者が好んで参加してくださっている印象。コースも難しいですし、いっそのこと、そういう位置づけにしていこうかとDGAの方とも話をしていたんです」と語ります。

画像: 今年も常に上を目指す選手たちが、目の前の一打一打に集中して、真剣勝負を繰り広げました

今年も常に上を目指す選手たちが、目の前の一打一打に集中して、真剣勝負を繰り広げました

障害者ゴルフの試合が増えることにくわえ、“ブランディング”をしていくことは、障害者ゴルファーにとっても、選択を明確にするために必要なことかもしれません。

DGA専務理事の石塚義将さんはこう語ります。

「柏オープンというプロトーナメントのなかにパラ部門が設定されているのは、障害者ゴルフというものが1つの分野として認めていただけたということ。ゴルフ業界に広まることでもあり、協会としては光栄な話です。薬師寺さんのご尽力もあります。ありがたいです」

では、大会のレポートです。

ミラノ・コルティナ入賞の小須田潤太が復帰戦V!

ネット部で優勝したのは小須田潤太さん(右大腿切断)。83・89のラウンドでしたが、今回が「復帰戦です」ということですから、上々の成績ではないでしょうか。

今年のミラノ・コルティナ2026パラリンピックのスノーボード日本代表で4位(スノーボードクロス・LL1)、5位( バンクドスラローム・LL1)とどちらも入賞、日本チームの旗手も務めた小須田さん。8月から少しずつクラブを握り、本大会まで練習は4、5回程度とのこと。

「今日はドライバーがダメすぎるので、周りにも言われて直ドラを多発して試しています。スノーボードの動きはゴルフに全然役立っていないですね(笑)。でも、ゴルフは全部楽しい。難しすぎるのが一番楽しいです。頭を使いながらやらないといけないスポーツですが、やるからには上にいきたい。(吉田)隼人さんの下の選手たち混戦ですから!」

画像: パラリンピアンの小須田潤太さんがネット部で優勝。隣で祝福するのは、DGA代表、松田治子氏。「日本障害者オープンで会いましょう」

パラリンピアンの小須田潤太さんがネット部で優勝。隣で祝福するのは、DGA代表、松田治子氏。「日本障害者オープンで会いましょう」

今後は10月26、27日開催の日本障害者オープンゴルフ選手権(新君津ベルグリーンCC)に出場予定。「また来月からは雪山に行きます」と、冬のスノーボードシーズンを前に、ゴルフの真剣勝負にも参戦しています。

名門・興國高校出身の友宗秀夫、事故を越えて掴んだ手応え

初日78を出し、グランプリ(グロス)の部で2位につけた友宗秀夫さん(右大腿切断)は、「調子はよくないんですけど、初日は奇跡的にスコアがよくて……」と2日目をスタート。結果は87で最終順位は6位となり、悔しさと満足が合わさった様子。

画像: どんどんゴルフの腕を上げているという友宗さんのフィニッシュ。近々、そのゴルフ人生をガッツリご紹介しましょう

どんどんゴルフの腕を上げているという友宗さんのフィニッシュ。近々、そのゴルフ人生をガッツリご紹介しましょう

「疲れて踏ん張れんようになってアカンかった。あわよくば上にと思ってしまって……初日2位のプレッシャーもありました。平坦やけど関西にはない感じのコース。ティーショットのプレッシャーがあるので負けたらあかんと思ってはいたけど、慣れていないので打ちにくいし、狙いもピンポイントで、グリーンも速かった」と言いながら、関西の山岳コースで慣れた自分のゴルフに経験が積み重なったことに前を向きます。

友宗さんは、今や全国大会で優勝もする名門、興國高校ゴルフ部の出身。蟬川泰果プロの先輩ですね! プロゴルファーを目指していたこともあるそうですが、5年前に事故で右足を失くしました。

「僕の師匠は(吉田)隼人くん。入院中に義足のことなどいろいろ聞いていたんです」

2年半前にゴルフを再開。DGAの試合にも出始めました。

今年の8月、ジョイックスオープンに出場。ここで高校ゴルフ部の同級生、今年シニアツアールーキーでもある中川勝弥プロと32年ぶりにラウンドしてモチベーションはさらに上がったとか。

「高校時代の日刊ダブルスに出て以来です。感慨深かった。7000ヤードあるコースで頑張りました。DGAに参加するようになってちょうど2年。思っているよりハイペースで上達している気はしています。今年は日本障害者オープンで5位以内を狙います!」

画像: 吉田隼人に追いつけ、追い越せ!仲間でライバルの選手たち。(左から時計回りに)有迫隆志さん、友宗秀夫さん、吉田隼人プロ、元木健二さん

吉田隼人に追いつけ、追い越せ!仲間でライバルの選手たち。(左から時計回りに)有迫隆志さん、友宗秀夫さん、吉田隼人プロ、元木健二さん

競技者魂に火がついた友宗さんの今後の活躍が楽しみです。

王者・吉田隼人が薬師寺広会長から託された「300ヤード弾道」

さて、グランプリ(グロス)の部で優勝したのは、昨年に続き吉田隼人プロ(右大腿切断)。皆に追われる立場ではあるものの、73・79で2位に8打差をつけて快勝。表彰式では、実行委員会会長でゴルフキャスターの薬師寺広さんに本選での活躍への“気合い”を入れられていました。

画像: 2連覇の吉田隼人プロを激励する薬師寺広氏。「今回もティーショットが散らばってしまいました。本選は、万全の体調で頑張ります」(吉田)

2連覇の吉田隼人プロを激励する薬師寺広氏。「今回もティーショットが散らばってしまいました。本選は、万全の体調で頑張ります」(吉田)

「皆に背中を見せて頑張っていますよね。吉田隼人くんに追いつける選手が出てきたらいいなと思います。11月9日にお待ちしています。300ヤードショットをバシーッと見せてください。皆の代表なので成績のほうもよろしくお願いします」

本選は11月9日(月)に藤ヶ谷CCで行われます。今年は、青木瀬令奈プロも参戦予定。プロとアマが同じ土俵で戦う“日本一アツいローカルオープン”。皆さんもぜひ応援に行ってはいかがでしょうか?

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