31回大会の幕開けと主催者の想い松田治子代表理事が語る「人との出会いは宝」
第31回を迎える日本障害者オープンゴルフ選手権が、10月26日、27日に行われる。今年の会場は千葉県の新君津ベルグリーンカントリー倶楽部。主催の日本障害者ゴルフ協会の“月例会”も行われている、長く障害者ゴルフに理解のあるコースである。今年も日本だけではなく、韓国、スペイン、アメリカから67名が参加する。
25日には前夜祭が開かれ、真剣勝負前の和やかな懇親の時間を過ごした。
日本障害者ゴルフ協会代表理事・松田治子氏は、昨年30年を迎えた今大会の「その先へ」、そして「人との出会いが宝」との想いを語った。
また、海外勢の挨拶では、初出場の日系アメリカ人であるダグラス(龍馬)白倉さん(右足切断)が、「日本語はそんなに自信はないんです。日本語でスピーチするほうがゴルフをするよりよほど緊張しているんですけど……ご挨拶だけしたいと思います。どうもありがとうございます」と“流暢な”日本語で話すと、隣にいた昨年の優勝者、スペインのユアン・ポスティゴ(右足切断)が、自身の通訳として依頼をし、さらに緊張するダグラス。

初出場のダグラス白倉さんと練習ラウンドする吉田隼人プロ(右大腿切断)。早くも優勝争いの火花散る⁉
そのポスティゴの言葉を「今年で5回目の出場です。ありがとうございます。天気はそんなによくないと思うんですけど、ゴルフ場はすごくよいです。僕がスペインから台風を持ってきたこと、ごめんなさい」と翻訳し、会場の笑いも誘っていた。

昨年覇者のユアン・ポスティゴさんと練習ラウンドする小山田雅人プロ(右前腕切断)。新婚・ポスティゴからのトロフィー奪取を目指す!
韓国代表ドン・サンヘ率いる11名が繋ぐ日韓の絆
また、韓国チーム11人たちがステージに勢ぞろいし、代表のドン・サンヘさんが、翻訳機を使いながらも素晴らしい日本語で「はじめまして。韓国選手を日本語で紹介します」と全員を紹介。また、韓国障害者ゴルフ協会(KDGA)の理事で通訳のジョンさんが、夏に日本選手3人が韓国の障害者ゴルフ大会に参戦したことへのお礼と、来年の同大会への参加の誘いを行った。こうして今年も、ここからまた、さまざまな“つながり”が生まれていく。

韓国チームの面々。初出場者も4人。当たり前だが皆さんゴルフが上手い。「韓国チームにトロフィーを持っていかれないよう皆さんも頑張りましょう!」(松田代表)
最後に、本大会のポスターにもなった宮本晃輔さん(上肢障害)の選手宣誓が行われた。宮本さんは2年前からDGAの大会に参加するようになって人生が変わったという。
「後ろ向きだった人生が、ここにいる多くの方との出会いで、本当に前向きな人生となりました」

前夜祭で選手宣誓をする宮本晃輔さん。最近、ゴルフ場に転職を果たし、さらに“ゴルフ道”を追求していくという
選手宣誓をすべて紹介する。
「宣誓、私たち選手一同は、日頃支えてくださる関係者の皆さま、そして大会の開催にご尽力をいただいたすべての皆さまへの感謝を胸に、正々堂々と競技することを誓います。私自身、障害者ゴルフを通して、多くの仲間と出会い、挑戦することの大切さ、そしてゴルフの持つ可能性を学びました。障害があるからといって、可能性まで制限されるわけではありません。挑戦することで見える景色があり、一歩踏み出すことで広がる世界があります。そして、私たちが挑戦し続ける姿が誰かの勇気や希望につながると確信しております。僕も実際2年前に、皆様の姿を初めて見て、救われた一人です。明日明後日の競技では、選手の皆さまがお互いを尊重し、最後まであきらめず、何よりもケガなく安全に競技を終えられることを願っています。そしてこの大会が私たち一人一人にとって、新たな一歩となることを願い選手宣誓といたします」
台風の接近と止まない雨の影響で初日の試合状況は予断を許さないが、選手たちの情熱が雨風を吹っ飛ばすことを願いたい。
写真/増田保雄


