PGAツアーのフェデックスカップ・フォール第5戦「ビダンタワールド・メキシコオープン」は、優勝スコアが通算25アンダーに達する熾烈なバーディ合戦となった。伸ばし合いが求められるタフな舞台で、平田憲聖が通算17アンダーの11位タイ、中島啓太が通算13アンダーの23位タイに入った。PGAツアーの厚いフィールドで、2人のプレーはどこまで通用していたのか。大会が記録したスタッツを紐解くと、プレースタイルの異なる2人の強みと現在地がくっきりと浮かび上がる。

全体4位タイのパーオン率79.17%――平田憲聖の精緻なアイアン

まず、平田憲聖のデータが証明したのは、世界基準のフィールドでもトップクラスに位置する「高精度のアイアン力」だ。

グリーンを狙うショットの貢献度を示す「SG: Approach to Green」において、平田は初日に「+2.968(全体4位)」をマーク。さらに第3ラウンドで「+1.317(11位)」、最終ラウンドも「+1.363(11位)」と安定し、4日間通算でも「+4.438(全体9位)」と常にトップ10クラスの切れ味を維持した。

初日にパーオン率100%(18/18)を記録しただけでなく、4日間通算のパーオン率も「79.17%(57/72)」で全体4位タイに君臨。72ホールで叩いたボギーはわずか3ホール(全体3位タイ)にとどめた。PGAツアーのタフなピン位置でもグリーンを外さない卓越したアイアン力が、抜群のボギー回避能力へと直結した。

平均308.7ヤードとキレ味の相乗効果――中島啓太のパワー&バーディ量産

一方、中島啓太のスタッツが示したのは、米ツアーの猛者たちにも引けを取らない「飛距離と爆発力」だ。

中島の4日間通算の平均飛距離は「308.70ヤード(全体23位)」。第3ラウンドでは339.00ヤードのビッグドライブを放つなど、パワーヒッターが揃うフィールドでも上位に入る数字を残した。

さらに特筆すべきは、飛距離の陰に隠れたアイアンショットの切れ味だ。4日間通算のアイアン貢献度(SG: Approach to Green)は「+3.570」で全体13位を記録。飛ばして短い番手を持ち、高精度のショットでピンを刺す理想的な攻めで、4日間で19個のバーディ(全体27位タイ)を量産してみせた。

フルシード「100位以内」へ――秋季シリーズは後半へ

画像: 平田憲聖と中島啓太。コーンフェリーツアー経由、DPワールドツアー経由とルートは違うが、PGAツアールーキーの2人は同学年だ

平田憲聖と中島啓太。コーンフェリーツアー経由、DPワールドツアー経由とルートは違うが、PGAツアールーキーの2人は同学年だ

この好結果により、フェデックスカップ・フォールのポイントランキングは平田が大会前の170位から「154位」へ急浮上。中島も129位から「122位」へと順位を押し上げ、来季フルシード権が与えられる「上位100位以内」の背中が見えつつある。

「精緻なショットの平田」と「飛距離とキレでねじ伏せる中島」。プレースタイルは対照的ながら、世界最高峰の舞台で渡り合える武器を数字で証明した2人の日本勢。メキシコの地で掴んだ確かな手応えは、来季フルシード獲得へ向けた力強い足がかりとなる。

写真/岩本芳弘


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