
レックス倉本
名古屋GC所属。高校卒業後、米国にゴルフ留学して、世界中のツアーを転戦。解説者に転身後は現地から情報を発信。現在はU-NEXTを中心にLPGAやPGAツアーの解説を担当
吉田優利が悲願の初優勝!
吉田優利選手が韓国で開催されたBMW女子選手権で見事に初優勝を飾りました。U-NEXTで解説を担当させていただいたので、なぜ勝てたのか要因を分析しようと思います。
昨年から試合会場が韓国南東部、海南郡にあるパインビーチゴルフリンクスに移されました。この時はキム・セヨンが抜群の飛距離を武器に24アンダーで圧勝。今年は2日目を終えた時点で今季メジャー2勝、世界ランキング3位のユ・ヘランが13アンダーで、2位に2打差をつけて単独トップ。誰もが彼女の独走を予測したはずです。過去3大会で彼女が単独リードで最終日を迎えた試合は3連勝。しかし、台風の影響もあり、週末は雨が降り続けたことで、まったく違うゲーム展開になります。
晴れていた初日、2日目は4つあるパー5すべてで2オンする選手もいましたが、週末、特に最終日はパー5でなかなか2打でグリーンに届かず、スコアを伸ばせない選手が続出。しかし、吉田選手は得意のショートゲームを武器に、しっかりとパー5でトップとの差を縮めました。特にスタート直後の2番ではグリーン手前、ショートサイドから見事なチップインでイーグル。5番パー4では、3打目を右奥のショートサイドからここもチップインでバーディ。それ以降もバーディを重ねるとともに、ピンチを持ち前のショートゲームと正確なパッティングでしのぎ首位に躍り出ました。
一方で、首位スタートのユ選手はバーディチャンスをことごとく外し続けトップの座を譲ってしまいます。振り続ける雨の影響で、コースは長くなり、選手の体力、集中力にも影響が出始めたのは間違いなく、単純なバーディ合戦から、ショートゲームでしのぎ合う要素も加わり、吉田選手に勝負の軍配が上がったのです。
シーズン中盤から特に良くなり始めたボールストライキングと持ち前のショートゲームの上手さ。それにジュニア時代から勝ち続けてきた勝負強さは特筆ものだと思います。前半で優勝を意識する展開になってからも、彼女のゲーム運びは百戦錬磨のベテランのようでした。勝負がかかった17番パー5でのコースマネジメント、そして3打目のバンカーショットの攻め方。ハートの強さが最大の武器だと確信しました。

「世界トップランカーを向こうに回しての初優勝は、これから勝ち星を積み重ねていけるとの自信に繋がったはずです。そしてこの優勝はまだ勝てていない勝みなみ選手、原英莉花選手、そして今後参戦する選手たちにも勇気を与えたと思います」(レックス倉本)
PHOTO/Getty Images
※週刊ゴルフダイジェスト11月17日号より
