北陸新幹線が開通し、この夏は富山、金沢は観光客でおおにぎわいだとか。せっかく富山まで足を伸ばしたのなら、やっぱりいっておきたいですよね「富山ブラック」
醤油ベースの真っ黒のスープがお馴染みのあの富山ブラックですよ。
*ご存じ黒々とした醤油ベースのスープ
最近はカップラーメンもあるし、ラーメングランプリで富山ブラックの人気店である「麺家 いろは」が出展していて、4年連続売り上げ1位を記録するなど、全国区になってきました(#^.^#)富山市内には富山ブラックのお店がいくつもあって、実際にどのお店に行こうか迷うほど。
中でも一番の老舗なのが昭和22年創業の「大喜」。
お店が富山市内に5店舗あって、今回はその本店である「西町大喜」で取材させていただきました。
*創業70年近い大喜の店内。富山ブラックの歴史とその魅力を余すところなくお伝えしますね!(^^)!
一日働いた労働者の栄養と塩分補給のため
*黒いと書いて「うまい」と読ます
そもそもなぜこのような黒々とした“しょっぱい”スープが生まれたのか?
「元々ここのお店が出来た昭和22年のころは戦後で町の復興のための労働者があふれかえっていたころでした。一日汗水流して働いたブルーワーカーのために栄養と塩分を取ってほしいという希望から生まれたと初代創業者には聞いております。ですから、ラーメン単品で食べるというよりはもうご飯のおかずですよね。昔はお客さんが「マイご飯」を持参して富山ブラックをおかずにして食べていたんですよ」(現在は「マイご飯」禁止)と話してくれたのは、店長の金山樹一郎さん。
創業当初から変わらず味を守ってきてというそのスープは、5種類の醤油をブレンドしたもの。そのレシピは「大喜」の社員でも数人しか知らないという秘伝のものだそうです。
「おかずになるようにと、厚めのチャーシューと、たっぷりのメンマを乗せます。料理が出ると、お客さんは、まずこの具材と麺をかき混ぜるところから始まりそのかき混ぜたものをご飯の上に乗せて一気にかきこみます」(金山さん)
*たっぷりのチャーシューが乗ります
なるほど~。それではその食べ方を金山さんに実践してもらいましょう(#^.^#)
富山ブラックの正しい食べ方~大喜編~
まずはご飯を用意する。
ネギとチャーシューとメンマを絡める。
まぜそばのような感じで♪
ご飯に乗せて、Let’s eat!
なんか、これ本当に“おかず”ですね( 一一)ちなみにレンゲはお客さんにいわれない限り出さないそうです。スープは飲んじゃいけないってことー!?
「今日もしょっぱいね」が何よりの褒め言葉
*肉をことこと煮込んでスープを作る
では実食(●´ω`●)
ワタクシ編集H、これまで数々のグルメ取材をこなして、きましたが、さすがにこれは・・・ガツンときました( ゚Д゚)
この“しょっぱい事実”を店長の金山さんに言っていいものか、どうなのかと尻込みしていると……。
「しょっぱいでしょ。いいんですよ、しょっぱいと言われるのが何よりの褒め言葉ですから。うちはスープを残すのが普通なんです。だからレンゲもつけない。もしスープを飲み干しているお客さんがいたら、『今日は薄かったかな』と逆に心配しちゃいます(笑)」とやさしいお言葉。
*ご飯に乗せるのも納得
それではスープの説明に参りましょう。
大喜のスープの作られ方。
寸胴で野菜やお肉を煮詰める。
醤油でお肉を炊きます。
創業から守ってきた秘伝の醤油を加えて完成。
んー、こうしてあの黒々としたスープが作られるのか(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
「何十年ぶりかにお店を訪れて年配のお客さんから、『相変わらずしょっぱいね』と言われるのが何よりの励みですね。味をいろいろと研究して改良していくことももちろん大事ですが、それ以上に今まで守ってきた伝統の味を変えないことも大切だと考えています」(金山さん)
ちなみに、「大喜」の富山ブラックは富山県内でしか食べられず、全国展開などは考えていないとか。むむむ、県外で食べられないと聞くと、なおさら行きたくなってまうー(―_―)!!
そして食後1週間ぐらいたつと「またあの黒いラーメン食べたいなー」となってしまうこの不思議な中毒性は何なんだろうか( 一一)
皆さん、この“しょっぱい”ラーメンを食べに富山に行く価値は十分にあると思いますよ~。「富山ブラック」を旅の目的にしてみてはいかがですかねっ♪
「西町大喜」
http://www.nisicho-taiki.com/
写真/三木崇徳