アイデアマンの平賀源内
2015年の土用の丑の日は7月24日と8月5日。うなぎが恋しくなる季節ですね。そもそも、どうして土用の丑の日にうなぎを食べるかご存知ですか?
これは、平賀源内が仕掛けたセールスプロモーションだったんです!
江戸時代、うなぎが売れず魚屋や料理屋から相談を受けた源内さん、エレキテルの如く閃きました「土用の丑の日に、うなぎを食べて、精をつけよう」こんなコピーのもと、暑い夏にうなぎを食べるプロモーションを思いつき、これが大ヒット。江戸から全国に広まり、いつの間にか、土用の丑の日に欠かせないものとしてうなぎが定着したんです。
梅雨が明けたら、土用の丑の日がやってきます。暑い夏を前に、奮発してうなぎを食べてみませんか?
養殖うなぎの最高峰
江戸時代から夏にうなぎを食べてきた我々日本人ですが最近はご存知の通り、不漁が伝えられています。獲りすぎてしまったことによる個体数の激減が原因とも言われていますが、うなぎの生体自体がまだよくわかっておらずつかみどころのないまま、親うなぎの数が減ってしまいました。
そうなると、養殖するしかないわけですが、研究熱心な日本人は養鰻(うなぎの養殖のこと)技術を発展させてきたのです。中でも最高と言われるのが、静岡県の大井川流域で育てられる共水うなぎです。普通の養殖うなぎは半年ほどで育てて出荷していまうところ共水うなぎは1年半くらいかけてじっくり育てています。その手の込んだ技法で美味しく育つんですね。
そんな共水うなぎを美味しく食べさせてくれるお店が東京・日本橋にあるのでご紹介しましょう。
屋号は高嶋家、明治8年創業の老舗です。静岡から生きたままやってくる共水うなぎを厨房の桶に入れて2~3日置いておき、美味しく頂けるように調整しているそうです。
桶で生きたまま保管する作業をうなぎを立てると言うそうで、調理の前に行う大事な作業なんです。
関東風に蒸したうなぎをたれに付けて炭火で焼き上げます。
たれに使うのは醤油、みりん、氷砂糖のみ、けれども長年使い続けるうちにうなぎの脂がたれにコクを加えます。高くてもいいうなぎを使うことで、味を守っているのです。
熟練の職人さんが、炭火で焼き上げます。一匹一匹、個体差があるので、長年の経験と勘でいちばん美味しく焼き上がるよう持っていきます。
さあ、召し上がれ!ということで、頂いてみました。うなぎはさっぱりとした味で、甘いか辛いかといえば醤油の味が優勢。シンプルで締まったたれの味がします。うなぎの身も締まっていて、無駄な食感や無駄な味がしません。シンプル・イズ・ベスト、しかしその裏には膨大な努力が垣間見れる鰻重でした。
高嶋家で人気の部屋
高嶋家を訪れる人に人気の部屋が二階にあります。ここはラストエンペラーとして知られる清の皇帝、愛新覚羅溥儀の弟、溥傑がこの店で食べたうなぎに感銘を受け、贈呈した書が飾られているお部屋。
この書は高嶋家の家宝なんですって!そんなストーリーも噛みしめながらうなぎを味わうべくこのお部屋を指定して予約するお客さんもいるそうです。皇帝一族をも唸らせた高嶋家のうなぎ力!機会があれば、一度行ってみてはいかがでしょうか?
高嶋家
東京都中央区日本橋小舟町11-5
☎03-3661-5909