100を切るために、毎週欠かさずに練習している、そんな人も多いだろう。練習だけでは100を切ることは難しい。ここでは、100を切るための重要な3つのチカラについて紹介しよう。

3つのチカラ「MMT」ってなに!?

そのチカラとは
「M」(メンタル術)
「M」(マネジメント)
「T」(テクニック)

この3つのチカラを融合すれば、今まで長年破れなかった「100」の壁を短期間で乗り越えることも可能だ。

そのポイントをそれぞれの専門家にアドバイスしてもらった。その一部を紹介しよう。

「M」(メンタル術)
ドキドキを抑える“10回”の呼吸

3つのチカラのうち、まずひとつめは「メンタル」。教えてくれたのは、オリンピック選手もサポートするスポーツ心理学のスペシャリスト・高井秀明 助教授だ。

画像: たかい・ひであき。日本体育大学体育学科スポーツ心理学研究室助教授。多くのアスリートをサポートする

たかい・ひであき。日本体育大学体育学科スポーツ心理学研究室助教授。多くのアスリートをサポートする

「まずは、集中力が切れているのか、緊張しているのかを見極めること、そして気持ちを“リセット”することが必要になります。それぞれに応じたメンタルテクニックをお教えしましょう」(高井助教授)

集中力をアップさせるには細かいものを凝視する

画像: “フォーカルポイント”といって、気持ちの切り替えをするために、自分で決めたものや場所をじっと見ること。これによって集中力が高まる、ということを記憶しておく

“フォーカルポイント”といって、気持ちの切り替えをするために、自分で決めたものや場所をじっと見ること。これによって集中力が高まる、ということを記憶しておく

「ボールのディンプルでもなんでもいいので、じっと見つめて意識を外に向けると頭の中を切り替えられます。人間は細かいものやモノの先端を見ると集中力が増すことが証明されています。実際、かつて東京五輪の時に、ろうそくの先端を見続けるトレーニングを導入したことがあったほどです」(高井氏)

ドキドキを解消するには修行僧の呼吸法

「“数息観”といって天台宗の修行僧の修業方法のひとつなのですが、息を吸って吐いてを1として、これを10回繰り返す方法。その間、雑念を入れずに、呼吸だけに集中します。雑念を排除するのは意外と難しいですが、ドキドキを抑えるには効果抜群。スタート前にやるのもいいですね」(高井氏)

M(マネジメント)
220ヤード飛ぶ人は200ヤードで組み立てよう

2つめのチカラは「マネジメント」。兄弟そろってのトップアマチュアとして有名な和田兄弟の弟・和田雅英さんに、100を切るための考え方を聞いてみた。

画像: わだ・まさひで。1965年生まれ、ハンディ+2。和田兄弟として名を馳せるトップアマ。巧みなマネジメントでスコアを作る

わだ・まさひで。1965年生まれ、ハンディ+2。和田兄弟として名を馳せるトップアマ。巧みなマネジメントでスコアを作る

「みんな最大飛距離でゴルフを組み立てるからミスをするんです。“チカラ7割”でマネジメントすれば、スコアは一気にまとまりますよ」(和田雅英さん)

ティショットはゴルフ場の中にいればOKと考える

画像: 「真っすぐ遠くへ」ばかりを考えず、打てるところにあればいいと、コースを広くとらえることがスムーズな体の動きに繋がる

「真っすぐ遠くへ」ばかりを考えず、打てるところにあればいいと、コースを広くとらえることがスムーズな体の動きに繋がる

「まず、ドライバーですよね。ここで大きなミスをしないこと。そのためには“ゴルフ場の中に飛べばいい”ぐらいの余裕を持った気持ちで臨みましょう。そして、最大で220ヤード飛ばす人なら、200ヤードでいいと思って打つことです」

「7割のチカラで振ることで、当たり外れが少なくなって、距離も方向も整いやすいんです。最大飛距離を狙うから、次が打てないような大きなミスに繋がることを覚えておいてほしいですね」(和田氏)

残り200ヤードのラフ。8番アイアン、持てますか?

「ティショットがラフに入って、残りは200ヤード。少しでもグリーンに近づけたいと長いクラブを持っていませんか? そんな時は、たとえすっぽり埋まっていなくても、8番アイアンをお勧めします。ボール全体が埋まっているようなラフじゃなければ、スピンが減って、フェアウェイから打つ時よりも飛距離が伸びることが多い。140~150ヤード飛べば、残りは50~60ヤード」

画像: ラフからはフライヤーを逆手にとって、短い番手で距離を稼ぐ。その時も力まずに7割のチカラ加減を心がける

ラフからはフライヤーを逆手にとって、短い番手で距離を稼ぐ。その時も力まずに7割のチカラ加減を心がける

「そこからなら、乗せられる確率も高いと思いませんか? ラフから無理してチョロ、さらに乗らずにダボ、トリ……といったリスクを回避できます」

T(テクニック)
「当てる」気持ちをなくす練習をしましょう

3つめのチカラは「テクニック」。教えてくれたのは多くのプロを活躍に導いた鶴見功樹プロ。さまざまな技術的なポイントがある中で、特にカギとなる部分を挙げてくれた。

画像: つるみ・こうき。2002年に日本人初の英国PGAディプロマを取得。大山志保をはじめ、多くのプロを鍛え上げた。千葉県のカレドニアン・ゴルフクラブで「鶴見功樹ゴルフアカデミー」を開校中

つるみ・こうき。2002年に日本人初の英国PGAディプロマを取得。大山志保をはじめ、多くのプロを鍛え上げた。千葉県のカレドニアン・ゴルフクラブで「鶴見功樹ゴルフアカデミー」を開校中

「ボールに当てたい、という気持ちがあると、手の動きが強くなります。すると起こるのが左ひじの引けと左手首が甲側に折れる動き」(鶴見プロ)

画像: 100を切れないゴルファーに圧倒的に多い「左ひじの引け」

100を切れないゴルファーに圧倒的に多い「左ひじの引け」

「基本的にスライスになりますし、それを嫌がるとチーピンという悪循環に陥ります。手が前に出てしまうことによって起こるのですが、これは直しておきたいですね」(鶴見プロ)

フォローでトウ先を立てる。これが“当てに行く”動きを消す

「必要なのは“アームローテーション”。これによって、ヘッドが手元を追い越して、ヘッドを走らせ、ボールをつかまえたいんです。そのためには、フォローで「トウ先を立てる」イメージを持つこと」

画像: ヘッドを前に出す感覚が養われる

ヘッドを前に出す感覚が養われる

「このカタチを覚えることが、当てに行く動きを抑え、ボールをつかまえるのに一番です。フォローでトウを空に向けるように動かすと、腕は回旋します。この腕のねじれがヘッドを加速させ、球をつかまえることに繋がります」

ノートをフェース面に見立てて180度回す

「ローテーションの感覚をつかむためのドリルとしては、ノートなどの平たいものを使ってのシャドースウィングが効果的です」

「左手にノートを持ち、腰から腰の間でノートの面を180度入れ替えるとアームローテーションが起こります。この感覚をスウィングに取り入れてください」

3人の先生による“3つのチカラ”で「100」を切るための方法。ぜひ試してみてほしい。

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