ご存知ミケルソンは、通算42勝を誇り、うちメジャーでは5度のチャンピオンに輝いている名実ともにレジェンドだ。2016年の全英オープンでも、2日目までは首位。最終的には2位となったが、46歳になっても強さは健在。
ミケルソンといえば、芸術的なロブショットや神業のようなリカバリーショットのイメージが強い人が多いと思いだろう。もちろんそれも彼の魅力だが、豪快なドライバーショットも特徴のひとつ。46歳となった今でも平均300ヤード近く飛ばすミケルソンには、ドライバーに人一倍のこだわりがあるのだ。
「飛距離でライバルに負けたくない」
ミケルソンがドライバーショットでこだわっていること、ひとつは打点。フェース中央よりも少し上、ヒール寄りが最も飛ばせると言う。そこにヒットさせて、フェースをターンさせるのがミケルソン流の打ち方。また、シャフトは「元調子」に限るとも話す。フェースを積極的にターンさせるため、先端が硬いシャフトを好んで使っているのだ。
今でもスウィングスピードを上げるトレーニングは欠かさないミケルソン。若手にも飛距離では負けたくないと語るようにドライバーに並々ならぬこだわりを感じます。
大会によってドライバーに求める条件は変わる
メジャー大会に強いミケルソンだが、それは彼が各大会ごとに細心の注意を払っているから。例えば、マスターズでは「高く遠く」に飛ばせるドライバーを求めるが、全英オープンでは「低くランが出る」ドライバーに切り替えている。
2006年のマスターズでは、ドライバーを2本バッグに入れたことを記録しているゴルファーもいるのでは。各コースに適応し、その時最大限のパフォーマンスを発揮するために行った彼らしいセッティングだ。
全米オープンでは「とにかく真っすぐ」飛ぶドライバーを求めるというミケルソン。4大メジャー生涯グランドスラムまで、残すは"全米"のみ。衰え知らずのドライバーショットを駆使して、いつか達成して欲しいとファンは心に秘めているに違いない。
写真/姉崎正