「親父のおさがり鑑定団」では、過去モデルではあるものの、未来に継承したいそのクラブにまつわるエピソードをご紹介します。

マルマン「コンダクターSX」

フェード系の選手が好んだ

マルマン・コンダクターSX
1988年

名器といわれた「400C」の形状を受け継ぐモデルで、ヘッドはやや大きく、ホーゼル際のブレードに厚みを持たせてた設計。軟鉄鋳造のサテンフィニッシュ仕上げ

「マルマン」といったらまだライターが有名だった

マルマンがゴルフクラブの製造を始めたのが、70年代に入ってすぐのこと。それまでガスライターで有名なメーカーだった。80年代に入ると「禁煙パイポ」が大ヒット。「私はコレでタバコをやめました。私はコレで会社をやめました」というCMは一世を風靡。そのマルマンのゴルフ部門が育てたプロラインが「コンダクター」である。

画像: トウとヒールの落差が少なく、真っすぐ打ち出すイメージが出る

トウとヒールの落差が少なく、真っすぐ打ち出すイメージが出る

80年代に入ると、プロツアーでコンダクターは人気を博す。芹澤信雄をはじめとする有力プロが使って活躍し、マルマンの知名度は一気に上がっていった。その人気を何とか世界レベルまで引き上げたいとマルマンが白羽の矢を立てたのが、英国出身のショットメーカー、イアン・ウーズナム。クラブ選びにうるさい彼を納得させたのがコンダクターのアイアンだった。

画像: ヘッドサイズは大き目

ヘッドサイズは大き目

マルマンのクラブの特徴は、ひとつのモデルのバリエーションが豊富なこと。コンダクターのアイアンだけでも常に数種類が展開され、ひとつひとつが明確なコンセプトを持っていた。このSXは、ズバリ「フェード向け」。トウとヒールの落差が小さく、フェースを真っすぐ動かすイメージ。典型的なドローヒッターのウーズナムはフックのミスが軽減されるためにこのSXを選んだ。

イアン・ウーズナム

170センチに満たない体で91年のオーガスタを制したウーズナムとともに、コンダクターは最高の栄誉を勝ち得たのだ。2013年、当時のロゴでコンダクターが復活した。アイアンフリークには何ともうれしい出来事だったに違いない。

※月刊ゴルフダイジェスト2013年4月号より

バックナンバーは↓↓↓

This article is a sponsored article by
''.