タイガーの使用ドライバーはテーラーメイドの「M2」(9.5度)。ジャスティン・ローズやダスティン・ジョンソンも使用することでも知られる「M2」は、同社の「M1」と比べてスピン量が少ないのが特徴。タイガーが使用するボールブリヂストンゴルフの「TOUR B 330S」との相性も考えてのヘッド選びと推測できる。
三菱レイヨン「TENSEI」はハードヒッター向けのしっかり感
そのヘッドにタイガーが組み合わせたのが、三菱レイヨンの海外モデル「TENSEI CK Pro White 70TX」シャフト。ヘッド同様、シャフトもジャスティン・ローズが使用しているモデルだ。タイガーとローズは復帰戦で練習ラウンドを共にしているが、ローズから勧められた……のかもしれない。
日本では馴染みのない「TENSEI」だが、シャフトのねじれの少ないロートルク設計で、全体的に重量感があってしっかりとしたシャフト。先端部までしっかりとしているので中弾道で球のバラつきが少ないのが特徴のようだ。
しっかり振っても左が怖くない
さて、実際に試打してみよう。プロ資格を持つ編集部員・中村修がヘッドスピード47m/s程度で試打すると、打球はややフェードしながら中弾道で飛んだ。
「まったく左へいく感じがしません。いくらでも叩けるという印象で、シャフトの性能から推測すると55m/s程度のヘッドスピードがあっても問題ない組合せです。また、これはM2のヘッドの特徴ですが、ボールの直進性が高く出球のバラつきも少ないですね。ハードヒッター向けの動きの少ない素直なシャフトに低スピンで曲がりの少ないヘッドの組合せ。今までのタイガーのドライバーとは印象が異なりますが、ヘッドスピードの速いゴルファーには大きな武器となりそうです」(中村)
スペック
クラブ長さ 44.75インチ
クラブ重さ 332グラム
スウィングウェート D2
シャフトの振動数 283cpm
※正確にタイガー仕様のスペックは確認できなかったが、過去のタイガーのスペックを考慮し44.75インチで組み上げた
このスペックからは、タイガー・ウッズのスウィングが以前のような力でねじ伏せるようなスウィングから、現代のギアの特性を活かしたスウィングに進化していることが推測できると中村。低スピン系の直進性の高いヘッドにスピン系の打感の軟らかいボールを組合せているということは、ドライバーではスピンを抑えて飛ばし、アイアンではスピンを活かして攻めるという意図がはっきりと見えるからだ。
2017年のタイガーはこのドライバー片手にどれだけの活躍をするのだろうか。ギアも、スウィングもモデルチェンジを果たしたタイガーから、目が離せない。