広いフェアウェイ、固くないグリーン、吹かない風……今年の全米、ちょっと変!?
一言でいって、エリンヒルズは今の状態では難しいとは言えません。例年、全米オープンは優勝スコアがイーブンパーとなるような“我慢比べ”になりやすいですが、今年に限っては、このままだと“伸ばし合い”の展開になると思います。
エリンヒルズには腰の高さほどの、入ったらボギー以上確定のラフがあるのですが、練習ラウンドを通じて風が吹かず、フェアウェイの幅は極めて広いので、世界のトップ選手にとってはほぼ「関係ない」状態になってしまっています。
そして雨が硬さを下げていることから、十分止められるグリーンになっている。優勝スコアは15〜20アンダーくらい出ちゃうんじゃないでしょうか。そして、圧倒的に飛ばし屋有利な状況になっています。
優勝候補筆頭のダスティン・ジョンソン、ローリー・マキロイ、ジェイソン・デイら飛ばし屋たちにとって、仮にこのまま風が吹かないとすれば、フェアウェイが広くてコースが長いエリンヒルズは、絶好の舞台と言えそうです。彼ら圧倒的な飛ばし屋に加えて、練習ラウンドで見たところ絶好調のリッキー・ファウラー、そして松山英樹らが順当に“上”にきそうな展開です。
さて、飛ばし屋以外にはチャンスはないかと言えば、そんなことはありません。USGAのセッティングは、ティの位置が毎日大きく変化します。その中で、縦の距離のコントロール、スピンコントロールが求められる場面も多く出てくるはずです。
池田勇太選手を筆頭に、日本人選手はスピンコントロールに長けた選手が多いですから、上位に進出する可能性は大いにあると思います。風がなくてフェアウェイが広いので、思いっきりドライバーを振れますしね。
500ヤードを超えるパー4を、ドライバー、9番アイアンで2オンさせる海外トップ選手の圧倒的パワー。そこに、日本人選手が巧みなテクニックで挑む姿が見られると思いますよ!