「どこからでも乗せてくる」とシニア仲間も一目置く、ベテラン・崎山武志のアイアンショット。その切れ味は、いったいどこから生まれるのかを聞いたところ、「最大のポイントは下半身で打っていること」と話してくれた。なんでも、そのヒントは綱引きの動きにあるというのだが……!?
上体と腕を残して左に体重移動!
……崎山プロのアイアンショットの切れ味はどこから?
「最大のポイントは、下半身で打っていることですね」
……下半身を使うとは?
「もともと上半身の筋力が強く、以前は上体の力を使って打っていましたが、下半身を使うスウィングに替えて、ぐっと安定したんですよ」(崎山、以下同)
……なるほど。
「たとえば、綱引きをするとしたら、体の重心を引っぱる方向に動かして、体全体で引っぱるでしょう? 体を半身にして綱を引っ張る動きは、ダウンスウィングの動きと同じなんです。左に体重移動して、その体重移動の動きに引っ張られてクラブが下りてくる。こうすることで、腕が体の正面に長くとどまり、球を捕まえる軌道ができるんです」
下半身を使って打つポイントは体重移動にある
「バックスウィングでは、しっかりと体重を右に乗せます。頭の位置が少し動くくらいでOK。右サイドにしっかり乗ったら、その反動が自然と起きるので、それを活かして左に体重移動していくんです。そして、切り返しでは、腰を左にスライドさせる意識を持っています。こうすると、腕を残したまま左サイドに体重移動しやすくなります。手が一番最後に下りてくるのが理想です」
ヒールアップで回転を助けよう
「両足を地面につけたまま、体を深く捻転できるなら問題ありませんが、僕は違います。体が硬いですから、大きくヒールアップします。こうすることで、体重移動と体の回転を助けられるんです」
綱引きの要領で下半身をしっかり使って打つことができれば、切れ味バツグンなアイアンショットが打てること間違いなしだ!
写真/姉崎正
(週刊ゴルフダイジェスト2016年7/26号より)