素振りを100点にしておかないと「話にならない」
Q:プロテストに3回落ちたところから井上透コーチと本格的なスウィング改造に取り組みましたね。
「2、3カ月、コースに出ないで、鏡を見ながらシャドースウィングでポジションチェックをしていました。どこに上がって、どう下りてくればいいのか。いまでは素振りが私のスウィングのベースになっています。本当に地味な練習でした」(川岸、以下同)
Q:その地味な練習を井上コーチのインドアスタジオでやっていたんですね。
「コースや広い練習場でボールを打つと、出た球筋に体が反応するじゃないですか。スウィングの型を作るためにはインドアのほうがいいんです」
Q:インドアで、しかも正しい素振りが大切ということですね。でも、アマチュアはなかなかその正しい素振りができません。
「素振りが60点の人は本番では40点になってしまいます。素振りを100点にしても、試合では景色などに影響されて60点ぐらいになってしまうものなんです。だから、素振りで100点の型にしておかないと、話にならないんです。バンカーの砂に線を描いて、ヘッドの入り方をチェックする素振りも同様です。全部の跡が一直線に揃うようにやっていくんです」
Q:それでジュニア時代からの癖を修正したんですね。
「癖は誰にでもあるはず。試合でその癖が出ないように、素振りでは100点に近づけておきます。それと、練習場では、一旦トップで止めて、そこから打つということもやります。意外と無駄な動きをしないでクラブが下りてくるんですよ」
2017年7月13日からの全米女子オープンにも出場する川岸。そのスウィングは「素振り」によって、磨かれていた。
(週刊ゴルフダイジェスト2017年7/25号 『レッスンノンフィクション 川岸史果 茅ヶ崎の“海砂”に教わったインパクト。』より 撮影:三木崇徳)