沈んでいても打ち込みは厳禁
ラフから飛ばすには「高い棒球」がいいということですが?
「ラフではフェースとボールの間に芝が挟まり、低スピンになります。打ち出し角さえ出してあげれば、棒球で飛距離を出すことができるんです。通常なら7番で打つ距離でも、あえて番手を短くして8番を選んだほうが、楽に乗せられるケースがあります」
ロフトが寝ている分、打ち出し角が確保されるわけですね。他に打ち出しを高く方法はありますか?
「鋭角に打ち込まないことです。ラフだとどうしても上からヘッドを入れたくなりますが、手前の芝を倒しながらボールにコンタクトするつもりで、低い位置からヘッドを入れましょう」
芝の抵抗に負けてしまう気がしてしまうのですが……?
「速く振ろうとすると逆に抵抗に負けやすくなります。ここがポイントで、意識の中ではゆっくり振るのです。芝をよけるようにヘッドが動き、想像以上に楽にボールにコンタクトできますよ」
【LESSON】ラフから棒球を打つための3つのポイント
ポイント1:ダウンスウィングで左に体重を乗せると、入射角が鋭角になり打ち込む軌道になってしまう。意識としては、右足に体重を残したまま右軸で振り抜く。
ポイント2:ラフの状況だと力任せに鋭角に入れたくなるが、振り子のイメージでグリップエンドを支点にヘッドを低く長く動かす。芝を倒しながらボールに到達できる。
ポイント3:芝の抵抗は必ずあるので、短く持つことで対処する。クラブをコントロールでき、さらに体の回転と同調させやすくなるため、スパッと振り抜ける。ただし、強く握りすぎないことも重要なポイント。
ラフから距離を出すことができないっていう人でも、棒球ショットなら楽に飛距離を出すことができる。ピンチをチャンスに変える打ち方、ぜひ試してみよう。
写真/大澤進二
(週刊ゴルフダイジェスト2017年7/18号より抜粋)