「狙える」「狙わない」の線引きをしっかり
3ラウンドに1回、いや5ラウンドに1回、はたまた年に1回か......。バーディを取ることは、非常に難易度が高く、たまたま超ロングパットが入ったなど偶然取れることがほとんどではないか。しかし、本気でコース攻略すれば、1日1つ狙ってバーディが取れるはずだ、と中村龍明プロはいう。
「プロはショットやパットが上手いからバーディが量産できると思っている人が多いかもしれませんが、それは違います。クラブ選択から狙い方までしっかり考えているからバーディが取れるのです」(中村、以下同)
「バーディを狙うには、いくつかの条件があります。最も大切なのがピン位置です。ピンが手前か真ん中に切ってあるときはバーディを狙えますが、奥に切ってあるときは、ピンを狙うショットは心を鬼にしてやめてください。グリーン奥に外した時のリスクが高いからです。それとピンまでの距離。150ヤード以内を基準に、8番アイアンより下の番手で打てる条件が揃ったときに、バーディを狙っていくのです」
コース管理上、18ホールのカップ位置は手前・中央・奥が均等数になるように切られることが多い。そのため、ピンが奥のホールは概ね6ホールあり、残り12ホールの手前と中央のピン位置がバーディ狙いホールとなる。
パー3・パー4はパーオンを狙う距離が150ヤード以内かつ8番アイアンで打てるときのみピンを狙う
パー3とパー4では、8番アイアンより短い番手で打てるときだけピンを狙うようにする。それよりも長い距離の場合は、確実にグリーンオン、もしくはグリーンを外れてもパーが拾える狙い方をする。
パー5は2オンが狙えないならPWでフルショットできる3打目を残す
パー5はバーディが狙いやすい。ポイントは2打目。セカンドで届かないのに強引にグリーン近くまで打とうとするのはNG。3打目が、力加減を必要としないPWでフルショットできる位置へ刻んでバーディを狙うのが賢い選択。
ピン手前は短め番手で腕を振り強い球で狙う
短めのクラブでフルショットするとき、体の回転が止まってしまうと、大きく引っかけるミスが出やすくなる。それを回避するために足元だけオープンにして体がスムーズに回転する体勢を作っておく。
体はもちろん回転させながら打つが、ヘッドを意識的に走らせることが大切。腕をしっかり返す意識を持つと、番手通りのフルショットの距離が出やすくなる。
ピン真ん中は大きめ番手で高い球! 高く大きく振り抜こう
少しだけボールを左足寄りに置き、左肩を少し上げて構える。そのまま高いフォローをイメージするだけ。インパクトで球を上げようとしない。
大きめ番手で強振しないで振ると、スピンが効きにくいので少し高さのある弾道で攻める。そのためにはフォローでヘッドを高く抜いていくこと。このとき、トウが空(上)を向いていれば、距離と高さがしっかり出る。
無謀なチャレンジはせずに狙ってバーディが取れるようになれば、スコアがグッと良くなるはず。まずはピン位置を確認することから始めてみよう。
写真/姉崎正
(週刊ゴルフダイジェスト2015年9/8号より)