ティショットが、同伴者のボールと同じバンカーへ。ところが、先に打った同伴者がダフッてしまい、砂が自分のボールにかかってしまった! 次のショットが打ちづらい……、こんなときボールは拭いてもいいんだっけ?
「あ~あ、私も引っかけちゃった!」ティショットはどうやら同伴者と同じバンカーへ入った模様。セカンド地点へ向かうと、ボールは仲良くバンカー内に2つ並んでいた。
グリップを握る手にもついつい力が入るセカンドショット。「なんとかグリーンの近くまで行きたいところだけど……。よ~し、気合入れるぞ!」
「わ! 力みすぎてダフっちゃった! 大事に打ちたいショットだったのに~」「豪快にダフったわね……。ドンマイ、ドンマイ」
「ちょっと待ってください! 今のは先輩のショットで私のボールのライが変えられてしまったわけですから、元の状態に戻していいんですよ。拾い上げてボールを拭くことも認められているはずです」
「私のせいでボールが砂まみれになってしまったから言いにくいんだけど、基本的にはボールはあるがままで打たなきゃダメなのよ。こうならないように、先にマークして拾い上げておくべきだったわね」
さて、2人の見解のうち正しいのはどちら?
プレーヤーは自分の球の止まったときのライからプレーする権利がある。したがって今回のように、同伴者のショットによってライが変えられた場合、公正の理念(規則1-4)に従って救済を受け、罰なしに、落ちてきた砂を取り除いたり、自分の球を拾い上げて拭くことができる(裁定13-2/8.5)。
週刊ゴルフダイジェスト3/27号「ゴルルとルール。」より(監修・小山混、写真・増田保雄)