スピースのマスターズ平均スコアはなんとタイガー以下!
5回目の優勝に期待がかかるタイガー・ウッズを筆頭に、スター選手たちはオーガスタで開戦のときを待っている。おそらく史上最高の盛り上がりを見せているマスターズ。今回はタイガー・ウッズのデータと共にマスターズを紐解いていく。
まず、2005年にタイガーが勝って以来、世界ランキング1位はマスターズに勝てていない(ダスティン・ジョンソンに黄信号か?)。2002年、2003年にタイガーが連覇して以来、複数回勝っているプレイヤーはいるが、連覇を成し遂げたプレイヤーはいない(ガルシアに黄信号か?)。
マスターズの81回の歴史の中2人しかPGA初優勝はいなく、優勝したことのないプレイヤーには非常に厳しいデータとなっている。そして過去10年において言うと、全ての優勝者が前年に予選通過を果たしている。そして過去28人の優勝者の内、実に24人はマスターズでトップ20入りの経験を持つ。やはり新参者には非常に戦いづらいフィールドと言えるだろう。マスターズは非常に難しく過去5年連続予選通過を果たしているのは5人のみで、それらはマキロイ、デイ、クーチャ-、スコット、ローズである。
スタッツを見てみると、2016年時点での平均スコアは74.03と比較的高い。平均スコアでアンダーパーを記録している100回以上ラウンドしたプレイヤ-の中では2人しかおらず、ジャック・ニクラスの71.98、フレッド・カプルスの71.99だ。
ちなみにタイガー・ウッズは過去78ラウンドしており、平均スコアは70.86。94ラウンドしたミケルソンは71.24とアンダーパーを維持している。他に25ラウンド以上100ラウンド以下をプレーした選手でアンダーパーを記録しているのは、25ラウンドしたジェイソン・デイの71.56、28ラウンドで71.96のジェリー・ペイト、34ラウンドしたマキロイの71.82(80を最終日に叩き優勝を逃した日を含む)、48ラウンドで71.83のローズだけ。それだけ厳しいコースだということが伺える。
これを見るとタイガー・ウッズがオーガスタでは圧倒的なパフォーマンスを残しているように思うが、ジョーダン・スピースが16ラウンドとまだ回数は少ないが驚異の平均スコアを叩き出している。その数値は70.375だ。タイガーよりも0.5打ほど少ないペースで、マスターズの申し子はスピースと現時点では言えるかもしれない。
調子を落としていたスピースも、復調の兆しを見せている。スピースのパフォーマンスにも注目したいところだ。
8年連続で、優勝者の初日のスコアが「69以下」であることを覚えておこう
マスターズでは過去、タイガー・ウッズが後続と12打差で圧倒したことがあるが、81回の中、40回が1打差以内で勝負がついており、接戦になりやすい。
では、細かいスタッツで見てみよう。明らかに平均飛距離はアドバンテージになっていると言える。目安は295ヤード以上だ。パーオン率でいうと66%以上、フェアウェイキープ率でいうと60%以上、アプローチでは63%以上が目安だ。パッティングに関していうと、以前のランキングはあまり影響していない。それよりもマスターズにその時にある程度合っていることが大事だ。
過去6年にフォーカスしてみると面白いデータがある。過去6年の優勝者はストロークゲインドのtee to green(主にショットのスコアへの貢献度を示す)がいずれもトップ7以内であり、今年それに当てはまるのはポール・ケイシー、ジョーダン・スピース、セルヒオ・ガルシア、アダム・スコット、ダスティン・ジョンソン、トミー・フリートウッド、ジャスティン・トーマスだ。果たしてこの6年続く傾向は今年にも当てはまるのだろうか。
過去11年のデータでは優勝者の初日の成績がトップ10入りしており、そのうちの10人がトップとの差が4打差以内で初日を終えている。また、8年連続で初日のスコア「69以下」の選手が勝っている。初日のスコアに注目すると優勝候補も絞れてくるはずだ。
果たして、誰が今年のマスターズを制するのか、データを踏まえて見ると、楽しみもより増えるのではないだろうか。