ラウンドを振り返ることは、ゴルフ上達につながる大切なプロセス。シングル(一桁)ハンディの上級者とアベレージゴルファーではラウンドを振り返るときに注目するポイントが違うと、メンタルトレーナー・プロコーチとして活躍する松本進は言う。著書「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」から、上手なラウンドの振り返り方をご紹介。
うまくなる人とならない人の違いは?
シングル「3番ホールのパットは気持ちよかった。9番のバンカーショットはうまく寄った。16番は林の中からうまいこと花道まで出せた」
アベレージ「なんで5番の簡単なホールでダボ打つかな。12番パー5のボギーはもったいない」
ふたりのラウンド終了後の感想でした。どこが違うかわかりますか? 「いい結果と悪い結果の話をしているんでしょ」おしい。
シングルの感想は、ショット内容の評価。もしかしたら3番も9番も16番もボギーだったかもしれませんが、スコアの話は一切、していません。単純にナイスショットの話をしています。
一方のアベレージはスコアの話。それも反省です。もしかしたら5番でも12番でも1度ぐらいはナイスショットを打っているのかもしれませんが、スコアだけで評価するから悪い記憶が残ります。
また、一度「相性の悪いホール」「苦手ホール」とレッテルを貼ったら、次にたとえいいスコアで上がったとしても、記憶には深く残りません。このように、今日のラウンドを振り返るとき、スコア(結果)で見てしまうと、いいことがまるでありません。多くの人がこのワナにはまるのは、打数のみ書かれたスコアカードを見ながら回想するからです。書かれている数字だけ見えるので、つい「結果」にフォーカスしてしまう。
よく「ラウンドを反省しろ」といいますが、自分のナイスショットだけを振り返る人と、スコアを反省する人とでは1年後に、必ず差がつきます。
ナイスショットを上手に振り返るゴルファーになりましょう。
「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」(ゴルフダイジェスト新書)より ※webメディア向けに一部改変しています
撮影/渡部義一