ゴルフで使う集中力というのは、実は2種類ある。上級者は2つの集中力を使い分けているとメンタルトレーナー・プロコーチとして活躍する松本進は言う。著書「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」から、集中力の切り替えについてご紹介。

大きい集中、小さい集中

ターゲットを睨みつけるのが集中と勘違いしている人がいますが、これは「木を見て森を見ず」の状態。実は集中力には2つあって、シングルは2つの集中力を効果的に使い分けています。

2つの集中力とは、全体を見渡す余裕のある「大きな集中力」と、人が動いても気が付かなくなるような「小さな集中力」です。

たとえばニクラスは、ショットに集中するとギャラリーが動いていても気が付かない、というエピソードがありますが、これはアドレスに入ってからの話。アドレス以前の段階では、大きな集中力を使わないとホールの状況が見えませんし、風や距離をジャッジできません。

画像: ニクラスはショットに集中するとギャラリーが動いていても気が付かない。小さな集中力のお手本だ(写真は1982年の全英オープン)

ニクラスはショットに集中するとギャラリーが動いていても気が付かない。小さな集中力のお手本だ(写真は1982年の全英オープン)

この2つの集中力を使い分けることは、皆さんが想像している以上に重要です。スコアをつくるには瞬時にスイッチを切り替えられるようにしておく必要があります。トレーニングを積んで、集中力の切り替えを覚えましょう。

切り替えを覚える

【1】クラブを握ってください。

クラブを握っている手全体に10秒集中(大きな集中力)。両手の小指の先端のみに全神経を集中(小さな集中力)。

【2】音楽を聴いてください。

曲全体を聴くことに10秒集中(大きな集中力)。曲の中の1つの楽器に5秒集中(小さな集中力)。

数回、繰り返して、集中力の切り替えをマスターしてください。

「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」(ゴルフダイジェスト新書)より

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