全米オープン2連覇は29年ぶりの偉業
こんにちはケンジロウです。サウサンプトンのシネコックヒルズGCからお届けしております。U.S.オープン、決勝ラウンドが終わりました。最後まで誰が優勝するかわからない展開。誰を撮ったらいいかわからずカメラマンたちもてんやわんやしていましたよ。
最終組より2時間早い13組前でスタートしたトミー・フリートウッドが、今日7アンダー出して一時はトップにたちましたからね。これまでの3日間を考えるとスコアはなかなか伸びませんからフリートウッドの優勝も多いにあり得る展開。マスターズチャンプのパトリック・リードも上がってきて、スコアを落としていたトニー・フィナウも戻してきて、まさに大混戦の様相を呈していました。
そんな中でスコアを2つ伸ばしたブルックス・ケプカがトータル1オーバーでフィニッシュ。フリートウッドの猛追をかわして昨年に続き全米オープンの連覇を達成しました。
長らく怪我で休んでいたと思ったら、気づけばメジャー2勝目ですからね。ヨーロピアンツアーで下積みを積んできた苦労人もいままさにスターダムを駆け上がっています。世界ランキングもこれで一気に上がりそうですね。
我らが松山英樹は朝早くにスタートし、前半で4連続バーディを奪うなどして今日は4アンダーを出しトータル10オーバーでフィニッシュ(16位タイ)。今日は前半の4バーディや長いパーパットなどタッチが合ってる印象をうけました。
ホールアウト後には「スピードは速いですが、グリーンは昨日よりは柔らかくなってると感じました。(タッチが4日間の中で)一番合ってましたね」とコメント。松山もそうですが、今日は4日間で一番バーディが多く出た1日でしたね。
プレスルームにある大きなリーダーズボードのスクリーンは4日間で初めてと言っていいくらいバーディの赤い色が並んでいました。コースのあちこちからバーディの歓声が上がるのも今日が初めてだったかもしれないですね。
今日は朝からコースのスタッフがこれでもかというほどグリーンに水をまいていました。
「セッティングが難しすぎるんじゃないか」昨日の緊急記者会見で、トーナメントディレクターが記者からの厳しい追求を受けて針のむしろになっていました。水をまいたのもグリーンを柔らかくしてスコアを出すため。ピンポジもいくらかやさしい気がしました。
昨日ミケルソンが動いている球を打った13番などは、ちょうどグリーンが平らな場所に切ってありましたからね。トミー・フリートウッドのように"ハマる"選手が出るのも自然だったかもしれません。それにしても7アンダーは凄いけど……。
今日のミケルソンはいつも通り笑顔を振りまいて、声援に手を上げて応えていました。まるで昨日のことがなかったように普通にコースに現れ、普通にスタート。
注目の13番では、グリーン右手前のバンカーから"砂イチ"でパーセーブ。パットを決めた後にたくさん集まっていたギャラリーに向けて大きなガッツポーズを決めました。さらにギャラリーの大歓声に応えるかのようにカップインしたボールをスタンドに投げ込む始末。
この行為を見る限り、ミケルソンはまったく懲りてないですよね。昨日の動いた球を打ったのはUSGAが悪いとばかりに"当て付けのガッツポーズ"に思えましたよ。
ただ、ギャラリーは野次を言う人などは皆無で、どちらかと言えば、フィル擁護派が多いような気がしました。これが野次の対象になりやすいイアン・ポールターやパトリック・リードだったらどうなっていたかわかりませんよ。
朝の大渋滞に始まり、松山英樹のエースドライバーが割れたり、ミケルソンの愚行ありのいろんな事件の起きた今年のUSオープン。我々取材陣はようやくホッとひと息つけます。
いずれにしても優勝したケプカ選手おめでとうございます!
写真/岡沢裕行
※内容を一部修正しました(2018年6月18日12時07分)