
「はぁ~、イヤなライね……」
ティショットが曲がってしまい、ボールはベアグラウンドに。「イヤ~なライからの2打目になっちゃったわね。このピンチから、うまく脱出したいものだけれど……」

「あら? ボールの後ろに……!!」
「ん? よく見たら、ボールの真後ろに小石が埋まっているじゃない。このまま打ったら、絶対にスウィングの邪魔になること間違いないわね。えーっと、こんな時は……っと!」

ヒョイッ! 「この小石は取り除いていいわよね」
「この小石はどう見ても邪魔だもの。ちょっと土に埋まっていたけど、簡単に取り除くことができたわ。ただでさえライが悪いのだから、ショットに少しでも悪影響を及ぼすようなものは排除しておきたいもんね!」

「いやいや、それ取っちゃだめじゃない?」「え? なにか??」
「たしかに小石はルースインペディメントだから通常は取り除けるけど、その石は地面に少し埋まっていたから、ルースインペディメントとはみなされないんじゃない? 取り除くとライの改善になるわよ」
「地面に埋まって簡単には動かせないような石は取り除いちゃダメだけれど、この石は地面にちょっと埋まっていただけで、簡単につまみ上げることができたわ。だからルースインペディメントとして扱って大丈夫だと思う」
さて、この地面に少し埋まった石の扱いについて、2人のうち正しいのはどちら?
地面に埋まっていたけれどすぐに取り除ける石は、ルースインペディメントとして扱ってもいい?
石の一部が土の中に入っていても簡単につまみ上げることのできる場合、その石はルースインペディメントである。その石が地面に固く食い込んでいる場合はルースインペディメントとは認められない(定義32)。地面に固く食い込んでいるかどうかについて疑問のある場合は、その石は取り除くべきでない(裁定23/2)
(週刊ゴルフダイジェスト7/17号「ゴルルとルール。」より。監修・小山混、撮影・阪上恭史)