ティショットがまさかのチョロ……。あわてて打ち直そうとしたら、今度は空振りしてしまった! でも待って、この時点でアンプレヤブルを宣言したら、ティグラウンドから打ち直しすることはできるはずよね?
「さあ、今日も張り切っていくわよ!」気合を入れて打ったはずのティショットがまさかのチョロに……。「うそでしょー! もう、最悪だわ~~」「ドンマイ、ドンマイ!」
コロコロコロ……と力なく転がっていったボールは、ティグラウンドの斜面で止まった。「あ~あ。私、左足下がりから打つのは苦手なのよね。まったくツイてないわー!!」
「さあ、しっかりリカバリーしていくわよ。えいっ!」 ブンッ!! 「えー! うそでしょ。まさかの空振りしちゃったわ……。やっぱり苦手なのよね、こういう斜面は」
「アンプレは1打罰で最後に打った地点から打ち直せるのよね。いまのは空振りで『打った』わけではないから、アンプレにすればティグラウンドからティアップして打てるはず。また空振りになるのはイヤだから、アンプレにするわ」
「空振りする前だったら、アンプレでティグラウンドに戻って打ち直すことができます。でも、今は2打目を空振りしてしまったので、そこが前打位置のはず。ティグラウンドから打つと誤所からのプレーになってしまいますよ」
さてこの場合、2人の見解のうち正しい判断はどちら?
アンプレを宣言して、ティグラウンドから打ち直すことはできる?
自分の球をアンプレヤブルとみなした場合、1打の罰のもと、初めの球を最後にプレーしたところのできるだけ近くで球をプレーすることができる(規則28)。今回のケースでは、初めの球を最後にプレーしたのはティグラウンドではなく空振りした場所なので、ティグラウンドから打ち直すことはできない(裁定28/7)。
週刊ゴルフダイジェスト7/31号「ゴルルとルール。」より(監修・小山混、撮影・加藤晶)