ラウンドに行くとついついスコアを目標にプレーしがちだが、実はこれが落とし穴。メンタルトレーナー・プロコーチとして活躍する松本進は、シングル(一桁)ハンディの上級者は自分でコントロールできることだけを目標にしていると言うが、一体なぜ? 自身の著書「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」からラウンドの目標設定についてご紹介。
努力すれば達成できる目標を掲げる
ラウンドに際して簡単な目標を持つことはいいことです。ただしスコアを目標にするのはよくありません。
たとえば目標を85打にしたとしましょう。前半で50回打ったら、もうギブアップ。45打でも、後半は40で回らなければならないので無謀な攻めをしがちです。結果、雑なゴルフになります。
スコアが目標では、大叩きしたときに自信を失うばかりか、雑なゴルフや諦めを覚えてしまいます。この諦めや雑なゴルフは、何度も繰り返すとクセになります。いつもスコアを目標にしているゴルファーは、それだけ諦めや雑なゴルフをしやすくなるわけです。
ではラウンドに際して、どういう目標を立てるのが理想なのでしょうか。
シングルはコントロールできることだけを目標にします。どんなに避けたくてもOBは出ますし、3パットもあります。タイガーだってOBを打つこともあるのですから、うまいヘタにかかわらず、これは仕方がないことなのです。だからスコアやOBを打たないことを目標にしても自信を失くすだけ。
でも「ルーティンをやりぬく」「毎回ターゲットを決める」などの目標は、自分の努力だけで十分に達成できることです。自信を失くさなくてすみますし、最後まで手を抜かずにプレーできます。
スコアを目標にしないことで自信を失わず、集中力も途切れず、かえっていいスコアが出るようになります。
「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」(ゴルフダイジェスト新書)より
撮影/宮田誠