マネジメントの発明者と言われるピーター・ドラッカーの考え方をベースにした独自の「ゴルフ・マネジメント学習法」を考案、ベストスコア110がわずか半年で80切りに至るまでに上達したドラッカー研究者の飯田利男。飯田は、“今の自分に必要なこと”を見極めて優先順位をつけることが上達に必要だという。自身の著書「ゴルフで覚えるドラッカー」から、「集中」と「廃棄」についてご紹介。
なぜ頭が良くても仕事ができないのか?
ドラッカーは、仕事で成果をあげるには「成果をあげる能力」が必要であると説きました。一見、当たり前のことに思えますが、ここでのポイントは「頭の良さや知識ではない」という点です。
いくら経歴や学歴が立派でも、仕事ができない人はたくさんいます。難易度が高い資格を持っているのに、今の仕事との関連性が薄くてほとんど役に立たないことも珍しくありません。
成果をあげるためには、自分が「目指す姿」を念頭に置いて現状分析して、「今の自分に必要なこと」を見極める必要があります。
例えば、「ヘッドスピードを上げる」ことが今の自分にとって重要ならば、そこに集中して練習を行います。そして、「ヘッドスピードを上げる」ために必要と考えられることを、一つひとつ試してみればいいのです。
優先順位が低いものは捨ててしまおう
ドラッカーは、「成果をあげるための秘訣を一つだけあげるならば、それは集中である」と述べています。
ビジネスでも、ゴルフでも、「何となく役立ちそうなこと」は無数にあります。だからこそ、「今の自分に最も重要なこと」に絞り込まないとキリがないのです。
そして実践した上で、その成果を冷静に分析するとともに、優先順位が低いものを廃棄していく必要があります。この「廃棄」という行動を苦手としている人は多いかもしれません。
しかし、「集中」と「廃棄」は表裏一体です。成果が期待できないことは思い切って廃棄してしまわないと、本当に解決しなくてはならない課題に集中できなくなってしまいます。このことは、ドラッカーの実践には大変重要なことです。
「ゴルフで覚えるドラッカー」(ゴルフダイジェスト社)より
撮影/増田保雄