自分に合った学び方は何か?
あなたは物事を理解する時に、人に話を「聞く」方法と、文章を「読む」方法、映像を「見る」方法の、どれがスムーズでしょうか。ドラッカーは、こうした人の特性を知った上で、それを意識的に活用することを勧めています。
たとえば、自分のスウィングをチェックするときに、インストラクターに指摘してもらうか、あるいは映像で確認するか。自分が一番理解しやすい方法を知っておくことで、学習効果を高めることができます。
効果的な学び方こそが、成長の土台になる
学び方は、「聞く」「読む」「見る」などの行動レベルにとどまりません。継続的な学習においては、どんな学び方をするかで、成果が大きく変わってきます。
ところが学び方というのは、意外なほど教わる機会がありません。学校でも趣味のスクールでも、教わるのはたいてい知識や技術です。学び方が非合理的・非効率的なまま、いくら知識や技術を詰め込もうとしても、なかなか定着しません。
インストラクターに対して、「教えてもらおう」という受身の姿勢では、上達は見込めないでしょう。たとえばインストラクターから「前傾姿勢をとってください」と指示を受けたとします。
このとき、ただ指示に従うのではなく、「なぜ前傾しなければならないのか」という、体とスウィングの因果関係を説明してもらい、納得してから実践しなければなりません。
今の自分が抱えている問題が何で、解決すべき課題が何かを確認した上で実践し、その結果と、その時の考えや、感覚を記録して次の「目標」を設定していくことが「実践することが学びにつながる」ということなのです。
「学び方」というのは、さまざまな物事に応用できます。ゴルフが上達したら、ぜひ仕事や他の趣味にも応用してみてください。
「ゴルフで覚えるドラッカー」(ゴルフダイジェスト社)より
撮影/加藤晶