めったにないバーディチャンス、万全を期してラインを読む時間をじっくり長く取ったのに、結果は大ショート、なんて経験はないだろうか。その失敗は、「いつものルーティンを崩したことにある」と指摘するのはメンタルトレーナー・プロコーチとして活躍する松本進。自身の著書「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」から、パットのルーティンについて紹介しよう。

慎重は緊張を生んでしまう

ルーティンとは動きだけの話ではありません。時間も含まれています。自分の持ち時間内、たとえば20秒でやりやすいルーティンを決めたら、すべてのショットで20秒間のルーティンを実行するようにしましょう。コンスタントに行うことで、コンスタントな結果が生まれてきます。

すべてのショットで20秒です。短いバーディパットも長いトリプルボギーパットもすべて20秒……できますか?

バーディパットの際、20秒ルールを守ることは難しいでしょう。バーディパットになると、急に丁寧にラインを呼んだり、いつもは見ない反対側からラインを読んだりしたくなります。

画像: チャンスの場面でもルーティンを崩してはいけないと松本は言う

チャンスの場面でもルーティンを崩してはいけないと松本は言う

でもこれは、ルーティンを壊していることなのです。

「めったにないチャンスだから慎重にやろうと思って……」

では慎重にやって、よい結果が出ましたか。

ルーティンを忠実に行うのは、要らない情報をできるだけ排除し、「打ちたい場所」にフォーカスするためです。それをルーティンを壊してしまうと、当然、要らない情報がいろいろ入ってきます。

たとえば「これが入ったら30台」「こんな近いのを外したらかっこ悪い」「ショートだけはしたくない」など、いろいろな思いが頭の片隅をよぎったのではないでしょうか。普段どおりに打ったらスムーズに動いていた体も、これではうまく動きません。これらのムダな情報が無意味な緊張や恐怖を呼び起こし、パットの難易度をことさら高めてしまうのです。

バーディパットもトリプルボギーパットも持ち時間は同じ。いつもどおりのルーティンで!

「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」(ゴルフダイジェスト新書)より

撮影/有原裕晶

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