マネジメントの発明者と言われるピーター・ドラッカーの考え方をベースにした独自の「ゴルフ・マネジメント学習法」を考案、ベストスコア110がわずか半年で80切りに至るまでに上達したドラッカー研究者の飯田利男。飯田は、ドラッカーが好んだ手法「フィードバック分析」における4つのプロセスはゴルフの練習にも取り入れることができるという。自身の著書「ゴルフで覚えるドラッカー」から、フィードバック分析の実践法をご紹介。

「フィードバック」の実践における4つのプロセス

「フィードバック」とは、ごく簡単にいえば「目標を設定して、成果と照合することの繰り返し」です。実践するときは、これから解説する4つのプロセスで考えましょう。これは井坂康志氏の「フィードバック手帳」の考え方をベースにしています。

【現状把握】目標設定の下準備

初めに「現状把握」が必要なのは、上達に結びつく「目標設定」をするには下準備が不可欠なためです。大切なことが2つあります。一つは「自分の目指す姿をイメージする」こと、もう一つは「4つの視点から自分を知る」ことです。

たとえば「アドレス」や「ビジネスゾーン」など、これからの練習で注力していきたいこと、定点観測していきたいことをイメージして「4つの視点」を決めましょう。この「4つの視点」から目標を設定し、「自分の目指す姿」の実現に近づいていきます。

画像: 飯田が最初に設定した4つの視点は「アドレス」、「ビジネスゾーン」、「アプローチ」、「マインドセット」

飯田が最初に設定した4つの視点は「アドレス」、「ビジネスゾーン」、「アプローチ」、「マインドセット」

この「現状把握」というプロセスは、次の「目標設定」のプロセス、そして最後の「成果との照合」というプロセスとつながっています。

【目標設定】照準をどこに定めるか?

目標の設定は「上達への道筋」となる重要なプロセスであり、これが妥当でないと練習しても上達に結びつきません。とはいえ、最初から完璧な「目標」を設定するのは不可能です。先ほどの話と矛盾するようですが、ここであまり考え込まないようにしましょう。というのも、フィードバックの4つのプロセスを繰り返すうちに、見当外れの「目標」は自然と淘汰され、より妥当なものへと進化していくからです。

【実践】目標に集中する

練習では、必ずその日の「目標」に集中しましょう。集中の仕方はシンプルです。アドレスする前に、その日の「目標」をしっかりと自分自身に言い聞かせてください。さらにショットの後も、再びこの「目標」を言い聞かせます。

そして、ナイスショット・ミスショットといった結果に一喜一憂しないことが肝心です。成功も失敗も、上達のために必要な検証材料になりますので、気づいたことは忘れないうちにメモしておきましょう。

【成果との照合】次につなげるために

実践の後は、必ず目標と「成果との照合」を行ってください。これを行わないと、フィードバックが機能しません。目標をクリアできたら「それで終わり」ではなく、成果があがった点をさらに伸ばしていくのがポイントです。一方で、一定期間続けても目標がクリアできない場合には、目標自体を見直す必要があります。

「成果との照合」は次の「現状把握」、次の「目標設定」につながっていきます。これを延々と繰り返していくことで、フィードバックがその効果を発揮します。

「ゴルフで覚えるドラッカー」(ゴルフダイジェスト社)より *一部改変

撮影/加藤晶

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