確実にパットを決めたくて、ついついライン読みに時間をかけてしまった経験はないだろうか。「パットのポイントは、グリーンを完璧に読もうとしないこと」だというのは、メンタルトレーナー・プロコーチとして活躍する松本進。自身の著書「あっというまに上達する極意。」から、パットのコツをご紹介。
外れたのはちゃんと打てていないから
パッティング上手のシングルは、一見、適当に打っているようにも見えます。あまり時間をかけず、すぐに打ってしまう。ですが、入る。実にシンプルです。
シングルでもプロのようにグリーンの読みに全神経を集中させ、完璧にラインを読もうとする人がいます。スロープレーでない限り、時間をある程度かけることは間違いではないのですが、時間をかければ入る確率が増すのかというと、それは違うでしょう。
なぜなら、時間をかけて見ていると、色々なラインが見えてくるからです。真っすぐ見えたり、微妙にフックするように見えたり……。「どっちだろう?」と迷ってしまうのでは、時間をかけたぶん、より入りづらくなったということです。
パットのポイントは、グリーンを完璧に読もうとしないこと。完璧にグリーンを読むなんて、そんなことはムダな努力です。だから時間をかけてパットのラインを見極めようとせずに、直感でサッとラインを決めてストロークに集中しましょう。
正確にわかりもしないラインを読むよりはるかに大事な作業は「決める&打つ」の2つ。
外したのは読みが外れたから? 違います! 外したのはきちんと打てていないからです。特にあれこれ悩んでしまいやすい人は、5秒以上、ラインを読まないことです。直感を信じて、あとは狙った方向に、距離を合わせて真っすぐ打つ作業に集中しましょう。
パット名人は、実はラインの読みをあれこれ考えないから名人なのです。
「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」(ゴルフダイジェスト新書)より
撮影/田中宏幸