最近のレッスンのキーワードとして用いられる「地面反力」。これをスウィングに取り入れようと思ったら、まずはスウィング自体を正確に理解するのが近道。そして、バイオメカニクスの権威であるクォン教授は、スウィングには3つの軸があると説く。吉田洋一郎プロとの共著「驚異の反力打法~飛ばしたいならバイオメカ」より、スウィングを理解するために必須な軸の話を3日連続でお届けする。

ゴルフスウィングは3つの軸をもった三次元的な動き

「地面反力」をスウィングに取り入れるためには、軸について正しく理解することが不可欠です。

結論から言うと、ゴルフスウィングとは3つの軸をもった三次元的な動きです。その3つの軸とは「垂直軸」「前後軸」「飛球線方向軸」。画像1は、それらを模式的に示したものです。

1つめの「垂直軸」とは、その名のとおり地面に垂直な軸。これに対して回転する動きは、その場でクルリと回るコマのような動きになります。

画像: ゴルフスウィングには3つの軸があるという

ゴルフスウィングには3つの軸があるという

2つめの「前後軸」は、体の正面から見たときにお腹側から背中側へ突き抜ける、「垂直軸」と直角に交わる軸です。「地面反力」を回転に転換する動きがこの「前後軸」で、この軸を中心に回転すると、腕やクラブは振り子のように動きます。

3つめの「飛球線方向軸」は、飛球線に対して平行に存在し、「垂直軸」や「前後軸」とそれぞれ直角に交わる軸。この軸を中心に回転すると、上体の前傾が変化しやすくなるためゴルフスウィングではあまり取り沙汰されませんが、実際のスウィング中にはほかの動きと連動しながらこの軸を中心とした動きも生じます。

物体は、その重心を中心に回転しようとします。ですからこれら3つの軸は、すべて体の重心――一般的にはお腹のおへそよりも少し下、「丹田」などと呼ばれる部分――を通っていると考えてください。

ゴルフスウィングは、股関節から上体を前傾して構え、その前傾に沿って回転するというイメージが広く浸透しています。それ自体は大きな間違いではないのですが、ゴルフスウィングの三次元的で複雑な回転運動を理解するためには、それだけでは不十分で、さまざまな矛盾が生じます。

3つの軸に沿った回転運動がそれぞれどのように行われ、どのように影響し合っているかを正しく理解することが重要なのです。

重要なスウィング軸だが“唯一”、ではない。1つめの軸「垂直軸」

3つの軸のうち「垂直軸」は、ゴルフスウィングを回転運動だと説明する際に、その回転軸として説明されることが多い軸です。スウィング動画などを解説する際に、地面に垂直に線を引いて説明されたりします。

バックスウィングで右を向いて、フォローで左を向くような回転運動を説明するうえでは、この「垂直軸」を意識することでスムーズに回転できますし、実際、スウィング中にはこの「垂直軸」に沿った回転運動も生じているので、比較的万人に受け入れやすいイメージといえます。そのため、「スウィングの軸」というと、この「垂直軸」をイメージする人は多いでしょうし、「頭を動かすな」というようなレッスンの常套句には、この「垂直軸」を重視する動きから生まれているものが多数派を占めています。

画像: 従来、ゴルフスウィングを考える際にもっとも多くイメージされてきたのが「垂直軸」。バックスウィングで右を向き、フォローで左を向くような回転運動の軸だ

従来、ゴルフスウィングを考える際にもっとも多くイメージされてきたのが「垂直軸」。バックスウィングで右を向き、フォローで左を向くような回転運動の軸だ

しかし、この「垂直軸運動」だけではクラブは地面と水平にフラットに振られるだけでボールに届きませんし、前傾姿勢を考慮したとしても不自然です。「垂直軸」は、3つの軸のうちの重要な1要素ではありますが、スウィングの唯一の軸ではないということを忘れないでください。

ちなみに、この「垂直軸」に沿った回転運動を促すのは、左右の足の裏を前後に使う動きです。バックスウィングで右足のかかと側と左足のつま先側に加重し、ダウンスウィング以降は左足のかかと側と右足のつま先側に加重することで体を回転させるのです。

2つ目、3つ目の軸についてはまた明日お話します。

※次回、第2回は2019年1月5日16時半公開予定

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