地面反力を活かすには3つの軸が必要不可欠になる。スポーツ・バイオメカニクスの世界的権威、ヤン・フー・クォン教授によれば、3つの軸の中でも「前後軸」と「飛球線方向軸」がキーポイントとなるという。クォン教授と吉田洋一郎プロの共著「驚異の反力打法~飛ばしたいならバイオメカ」より、3日連続で3つの軸について解説するシリーズ、その2回目をお伝えする。

この軸のイメージがスウィングを変える。2つめの軸「前後軸」

3つの軸のうちの「前後軸」は、「地面反力」を使ってスウィングするうえで非常に重要な意味を持っており、本書で説明するメソッドのキーポイントと言っていいでしょう。

というのも、この「前後軸」を中心とした回転運動は、従来のスウィングメソッドではハッキリと言及している例が少なく、ゴルファーにとってはあまり馴染みのないイメージだからです。

とくにアマチュアゴルファーにおいてはこの動きを正しく意識できている人は非常に少なく、それゆえにスムーズなスウィングを妨げているボトルネック的要因でもありました。

「前後軸」の動きが欠落し、「垂直軸」に偏ったイメージでスウィングすると、肩や上体が地面に対してフラットに動きやすく、前傾角度が起き上がったりクラブが寝るなどのさまざまな問題を引き起こします。

画像: 肩が上下に動くような体のタテ方向の回転は「前後軸」が中心になる。「地面反力」を考えるうえで不可欠な概念(写真は2018年のホンダクラシック)

肩が上下に動くような体のタテ方向の回転は「前後軸」が中心になる。「地面反力」を考えるうえで不可欠な概念(写真は2018年のホンダクラシック)

だからこそ、この「前後軸」に対する回転運動を正しく理解し、意識してスウィングに取り入れることは非常に重要と言えます。

体の「前後軸」周りの回転は、スウィング中に肩が上下に動くため、「右肩を下げるな」というような旧来のゴルフレッスン用語に慣れ親しんだ人には違和感があるかもしれません。しかし、スウィングの動作を客観的に分析していけば、それらの動きは決して悪い動作ではなく、自然で理にかなったものであることがわかるはず。古い先入観は捨てて、本質を見据えてください。

再現性の高いスウィングには欠かせない。3つめの軸「飛球線方向軸」

3つめの「飛球線方向軸」は、「前後軸」以上にスウィング中に意識されることが少ないため、あまりピンと来ない人も多いでしょう。しかし、スウィングの3つめの軸として、決して無視してはいけない要素です。

実際のスウィングのなかでは、足を地面につけた状態での動きとなるため、「飛球線方向軸」に対して回転すると上体の前傾角度や頭の高さが変化します。こういった動きは、従来のゴルフレッスンにおいてはスウィング中のタブーとされがちでしたが、これを利用しなければ遠心力(※)に引っ張られながら動くクラブを、うまくボールにミートさせることはできないのです。

画像: 前傾角度や頭の高さがそれを中心にが変化する「飛球線方向軸」はスウィングの3つめの軸として、決して無視してはいけない要素だという(写真は2018年のマスターズ 撮影/姉崎正)

前傾角度や頭の高さがそれを中心にが変化する「飛球線方向軸」はスウィングの3つめの軸として、決して無視してはいけない要素だという(写真は2018年のマスターズ 撮影/姉崎正)

具体的には、インパクトの直前に、飛球線後方から見たときに左回り、つまり上体が起き上がる方向に回転します。これによって、遠心力で体(スウィングの軸=体の重心)から遠ざかっていこうとする腕やクラブと体が引っ張り合い、バランスを取ってクラブヘッドの軌道を整えます。この動作がなければ、体がクラブの遠心力に引っ張られてヘッドは地面に激突してしまうでしょう。

動きとしては大きくありませんし、軸を中心とした回転運動だとは意識しにくい動きですが、これを「飛球線方向軸」に対する回転運動だと正しくイメージすることで、クリーンなインパクトが可能になるはずです。

※遠心力は、求心力の反力。ここでの求心力とは、手が体の周りを回転するクラブに対して加えている力のこと。クラブの回転運動を生じさせるためには、手からクラブを身体重心に向かって引く力が必要で、その力を求心力と言う。力は常に両方向に働くので、クラブにも同時に手を外側に向かって引く力が生じる。それが遠心力。もし求心力が存在しなければ遠心力は存在しない。「系」がゴルファーの体と定義されている場合は、クラブが体に対して加えているカ(遠心力)は「外力」と考えられる

今回はここまで。次回は3つの軸の考え方をご紹介します。

※次回、第3回は2019年1月6日16時半公開予定です

HONMA

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