日本人選手は松山、小平、今平ら7名が出場
青木功プロが72ホール目に128ヤードをぶち込んで、劇的なイーグルで逆転優勝をしたのが36年前の1983年大会。日本ツアー14勝、賞金王にもなったデビッド石井プロがP・エイジンガーを1打差で退けてPGAツアー初優勝を遂げたのが1990年大会。丸山茂樹プロが最終日を単独首位で迎えて、終盤ビジェイ・シンに逆転されて惜しくもPGAツアー4勝目を逃したのが2005年大会。我々日本人にはとても馴染み深いソニーオープンinハワイは今年で54回目を迎えます。
ワイアラエCCは7044ヤードと距離は短く、ドッグレッグが多く、キャリーで超えていかなければいけない池やバンカーもほとんどありません。風が強いことが多く、フェアウェイもよく転がるので、
今どきの大きなキャリーのビッグドライブでアドバンテージを取るゴルフというよりは硬いフェアウェイをコロコロ転がす地上戦が得意で、グリーン周りやグリーン上をうまくプレー出来た人が優勝争いをするという印象の大会です。
スピースは昨シーズンの屈辱からの巻き返しなるか
PGAツアーのパワーランキングでは一昨年の優勝者ジャスティン・トーマスが優勝候補1番手に挙げられています。ここでの優勝経験があり、先週ストロークゲインド・ティ・トゥ・グリーン(編注:ショットの質を示す指標)が1位だったことからもショットは好調で、優勝候補筆頭になるのは頷けます。今週は風が吹かない予報が出ていてかなりのバーディ合戦が予想されます。一昨年は初日に59を出して27アンダーで優勝しましたが、今週はそれを超えていくのかどうか注目されます。
3年連続での出場になるジョーダン・スピースが2019年初登場です。2018シーズンはパットの不振に喘いだシーズンでした。優勝がなく、トップ10も5回だけにとどまり、フェデックスカップ・ランキングも31位と初めてツアー選手権に進めませんでした。その屈辱的なシーズンからどう立ち直るのか、パッティングに関してはどういう対策をしてきて、どういう結果を出すのか興味深いところです。11月には結婚式もあげて気持ちも新たに新年を迎えていることでしょう。
グリーン周りとパッティングが上手い選手というと真っ先にパトリック・リードを思い浮かべます。
昨年はマスターズチャンピオンになりましたが、6月の全米オープンで4位になった後は思ったような活躍が出来ず、ライダーカップではキャプテンの采配を批判したり、パートナーとして一緒に組みたがらなかったスピースを批判したことが取り上げられてしまい、またヒールとしてのイメージが強まってしまった1年でもありました。
11月上海のHSBCチャンピオンズで7位タイ、欧州ツアーのツアー選手権ドバイでは2位タイに入り、上向いた流れで2019年を迎えています。先週は25位タイと奮いませんでしたが、今週のコースではリードの強みが発揮されれば優勝争いになるかもしれません。
今年は松山英樹・小平智・今平周吾・池田勇太・稲森佑貴・星野陸也・金谷拓実と7名の日本人選手が出場します。2010年代最後の年にまた日本人選手が優勝争いに加わって手に汗握る展開になることを期待します。