てこの原理をスウィングに生かそう
ゴルフスウィングは「前後軸」、「垂直軸」、「飛球線方向軸」の3つの軸を持った動きです。この共通認識のもと、「地面反力」がゴルフスウィングにどのように作用するべきかを、より詳しく説明していこうと思います。
「前後軸」に対して「地面反力」が作用して回転を促進する模式図(写真A)を見てみましょう。この写真の歯車の中心部分を、同じ「地面反力」でより効率よく回すためにはどうすればいいかわかりますか?
答えは、歯車の直径を大きくすればいいのです。よりわかりやすくイメージするのであれば、歯車ではなく、中心=重心点にあるナットをスパナで回す様子をイメージしてみてください。このスパナの柄が長いほど、同じ反力で高い回転力を得られるということがわかると思います。
これは、誰でも知っている「てこの原理」です。物理の世界ではこのスパナの柄を「モーメントアーム」と呼びますが、「モーメントアーム」が長ければ長いほど、「地面反力」を高い回転力に変換することができるというわけです。
これを再度スウィングに置き換えて考えると、「地面反力」が作用するポイントを、「前後軸」の中心(=体の重心)よりも遠いところに置けば、「モーメントアーム」は長くなるということです。具体的には、「地面反力」のベクトルが(通常はダウンスウィングの初期に)重心の右側を通っていれば(体の正面から見て)、反時計回りのトルクが生じます。
「地面反力」のベクトルが重心を通過してしまっては「モーメントアーム」の長さがゼロになって回転力が生まれませんし、反対に重心よりも左側を通るようなことがあれば、スウィングの回転と逆方向のトルクが生じ、スムーズなスウィングを妨げることになってしまいます。
では「地面反力」のベクトルをコントロールするためにはどうすればいいのか。それについてはまた明日お話します。
※次回、後編は2019年1月14日(月)16時半公開予定です
「驚異の反力打法~飛ばしたいならバイオメカ」(ゴルフダイジェスト社)より ※一部改変