メキシコシティのチャプルテペックゴルフクラブで行われているメキシコ選手権を取材中の月刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウ。そこで今平周吾のトレーナー・渡辺研太から世界のトップ選手たちのトレーニングについて貴重な話を取材することができた。早速リポートしてもらおう。

こんにちは、ケンジロウです。メキシコシティのチャプルテペックゴルフクラブから
お届けしております。メキシコ選手権の2日目が終わりました。日本人選手は松山英樹が1つ伸ばしてイーブンパー、今平周吾は4つ伸ばして2アンダー、小平智は1つ落として5オーバー。
あと2日でどれだけ伸ばせるか、頑張って欲しいですね。

さて、今日の話題は、またまたマキロイです。彼のトレーニングが“ガチすぎてヤバい”というのは有名な話ですが、なんと今回のトーナメント取材でわかったことがあって、彼は試合前にもかなり"追い込んでいる"というんです。その現場を見たのは、今平周吾のトレーナーを勤める渡辺研太さん。今週のトーナメントはメキシコシティのポランコ地区にあるハイアットがオフィシャルホテルなので、そのホテルのジムには世界ランキングトップ選手がみなトレーニングに来ています。たまたま自身のトレーニングに行った渡辺さんが、マキロイの"現場"に遭遇しました。

画像: メキシコ選手権2日目を終えて9アンダーの2位タイのマキロイ

メキシコ選手権2日目を終えて9アンダーの2位タイのマキロイ

では、その詳細をレポートしてもらいましょう。

「朝ふらーっとジムに行ったら、マキロイがいて、あまり見ちゃいけないと思いつつ、職業柄つい観察しちゃいました(笑)。トレーニング時間はだいたい40分ほどですかね、15種目くらいを淡々とこなしていましたよ。トレーナーもそばについてなかったんですが、上半身から下半身までまんべんなくやっていて、全部自分でメニューをわかっているようでしたね。特に全身を使う種目が多かったのが印象的でした。例えば片足ジャンプひとつをとっても、単に足だけで飛ぶのではなく、一度大きく手を後ろに振りかぶって、反動と腕を使って高くジャンプしていたんですね。足だけでなく、体の上下の連動を意識しているはずです。試合前にそこまでやらなくていいのではというぐらいのハードなメニューで、普段からやってないとできない“筋肉痛になるレベル”でした」

なるほど。プロゴルファーはシーズン中に筋トレしないというのはもう過去の話。特にこちらの選手は、試合前にしっかりと汗をかいてからプレーをしているようですね。実際にツアー会場にあるフィットネスカーは、試合前などはいつも選手でにぎわっています。朝イチのティショットからコンディション100%の状態で臨まないと試合には勝てないということですよね。

それだけハードなアップをしていたマキロイは、2日目のスタートホール、おはようバーディでスタートしていきました。2日目を終えて9アンダーの2位タイ。まさに朝から動ける状態ができていたからこそのパフォーマンスですよね。我々アマチュアの朝イチとはわけが違いますね。

渡辺トレーナーはこちらの選手のトレーニングのやり方にも目を見張るものがあると言います。

「試合の前にウォーミングアップで今平プロとコースのトレーニングルームに行ったのですが、そこにはフィル・ミケルソンもいるし、ダスティンもいるし、スピースもいました。どの選手も取り組んでいる内容は十人十色ですが、共通するのはいわゆるメディカル(マッサージ)ではなく、みんなフィジカルを意識したメニューなんですよね。例えばスピースは、オモリを持って片足立ちし、体を斜めに傾かせてその態勢をキープして、体が前後左右に傾かないような運動をやっていました。スウィング中に大事な腹斜筋を刺激しているんでしょうね。一方でフィルは軽い棒をブンブンと振り回していました。自分のリミッターを外して“振れる状態”を作っていたんだと思います」(渡辺トレーナー)

画像: スピース(左)もミケルソン(右)もフィジカルを意識したトレーニングに取り組んでいる

スピース(左)もミケルソン(右)もフィジカルを意識したトレーニングに取り組んでいる

そうしたトップ選手のトレーニングを間近で見た今平周吾は、世界のプロが体のケアを重視していることに大いに刺激を受けたそうです。今平プロは2年前から渡辺さんとトレーナー契約を結ぶなど、兼ねてから体のトレーニングの重要性を感じていました。

「連戦が続くとどうしても体が疲れてきて、集中力も切れるようになってしまうんです。今はウォーミングアップに力を入れるようにしていて、試合のパフォーマンスを落とさないようにしています」(今平周吾)

画像: 2日目にスコアを4つ伸ばし、20位タイにまで上がってきた今平周吾

2日目にスコアを4つ伸ばし、20位タイにまで上がってきた今平周吾

渡辺さんによれば、朝は必ず30分ぐらい時間をかけてウォーミングアップをやっているそうです。

「15分体のケアをしたあと、15分間心拍数を上げるようなダイナミックストレッチをやります。チューブなどを使って、軽い運動で可動域を広げるんです」(渡辺トレーナー)

2日目にスコアを4つ伸ばし、20位タイにまで上がってきた今平周吾。メキシコに来る前のグアム合宿で約3kg体重が増えたそうでその効果が出ているのかもしれませんね。

あと2日でどこまで伸ばせるか。日本の若き賞金王が、世界の舞台を楽しんでいます。

撮影/姉﨑正

This article is a sponsored article by
''.