マキロイの3番ウッドは「キャリー300ヤード」
こんにちは、ケンジロウです。メキシコのメキシコシティからお届けしております。
WGCメキシコ選手権の初日が終わりました。
日本人選手は、松山英樹が1オーバー、今平周吾が2オーバー、小平智が4オーバーと、3人ともなかなかスコアを伸ばせずに終わりました。
トップはマキロイの8アンダーパー。今日は7バーディ1イーグル1ボギーですからね。恐れ入りますよね。
今回の話は、そのマキロイのバッグの中身についてです。
この時期はいつもPGAのトップ選手のクラブシューティングをするのですが、マキロイのクラブを撮っているときに、ふとあることに気づいたんです。
あれ? スプーンがないな……。
ロッカーに置き忘れたか、マキロイが練習場にスプーンだけ持って行って打っているとか、テーラーのバスでクラブを調整しているとか、何かの拍子でスプーンだけ落としてしまったとか……、いろんなことを考えましたが、とにかくそばにいたマキロイのキャディのハリーに事情を聞くことにしました。以下、ハリーとのやりとりです。
――3番ウッドがないんだけど、どこにあるの?
「元から入ってないよ。入れてないんだ」
――3番ウッド入れないの? 長い距離が残ったらどうするの?
「ドライバーがキャリー310ヤードで、3番ウッドもキャリーで300ヤードはいくからね。3番がちょっと飛びすぎちゃうんだよ。その下の2番アイアンが245ヤードだから、3番との飛距離差がありすぎるんだ。5番ウッドだとキャリーで275ヤードなので、ちょうどドライバーと2番アイアンの間になっていいんだよ」
そのクリークは新しいM5フェアウェイウッド。ハリーいわく、マックス290ヤード近く飛ぶとかで、ロフト19度の5番ウッドを2度立てて使っているそうです。M5は大きなヘッドの割には操作性もあって、非常に使い勝手がいいそうです。
実際のデータを見させてもらうと…たしかに驚きの数値でした。
ヘッド速度50.6m/s
ボール初速76.0m/s
スピン量2919rpm
打ち出し13.5度
キャリー270y
トータル285y
これならスプーンいらないですよね。長いクラブでタテ距離をコントロールしなければならない彼らにとって、ロフトのある5番ウッドでグリーンを狙えるのは得ですよね。
そういえば、今週のメキシコ選手権に出ている今平周吾もスプーンを抜いていますね。彼は上を抜く替わりに下を厚くして、60度のウェッジを2本入れています。スピンのかかる用とかからない用の2本を状況で使い分けているそうです。3番ウッドを抜いてSWを二本入れるなんて今までにない発想で面白いですよね。
プロのセッティングに大きな変化が起きている気がしますね~。
撮影/姉﨑正