プレー中は過去や未来に思いを馳せず、目の前の一打に集中すべきだとツアー30勝の永久シードプレーヤー・倉本昌弘は言う。そしてそれは、その日一日だけのことではないのだという。自身の著書「本番に強くなるゴルフ」から試合に挑むための考え方を紹介。

後悔の気持ちを引き摺らないようにしたい

無理矢理「勝利の女神の後ろ髪」をつかみに行っても勝てることはあると思います。でも、それだと長く勝てない。私はそう考えています。

基本的に、強い人ほど臆病なものです。もちろん、強い人というのは威風堂々としているし自信が漲っているように見えるけれど、内心はびくびくしている。臆病だからこそ、闇雲に勝利の女神に手を出して「お前じゃないよ」と手を叩かれてしまうのが怖いのです。なぜなら、一度手を叩かれると、二度と触れないんじゃないかと思うからです。

ところが中には、それでもいいと考える人もいる。痛い目に遭っても構わないんだと。 しかし、無理矢理つかみにいって女神に手を叩かれ、それで打ちのめされると後を引く。 後悔した気持ちを引き摺ったまま、次の試合に臨まなければいけなくなる。それは嫌なのです。

流れをつかむためには、過去は振り返らない。未来は予測しない。目の前の1打1打に集中する。それは試合が終わった後も同じだからです。

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勝てるチャンスは少ない。 だからこそ厳密にプレーする

私たちは毎週、トーナメントに出場するわけです。そうすると、日曜日が終わると、すぐに次の週のトーナメントが始まって、それがずっと続いてしまう。それをどこかで断ち切りたい。

勝ったら勝ったで、負けたら負けたで気持ちを断ち切っていきたいのに、無理矢理勝ちにいって打ちのめされて負けたりすると、その気持ちを引き摺ってしまうから、目の前の試合、プレーに集中できなくなってしまう。

それは、通常のプレーと同じように流れを悪くするのです。下手をしたら、次の試合だけでなく、もっと長く引き摺ってしまうかもしれない。

だいたい、優勝争いのチャンスなんて、そんなにたくさんあるわけではありません。まして、勝てるチャンスなんて、本当に少ないわけです。ツアーで94勝もしている尾崎(将司)さんだって、10試合に出場して1回勝てるか勝てないかという確率なのです。

あれだけ勝っている人だって、10回に9回は違うのだから、そうじゃない人が勝てる確率なんて、もっとずっと低い。実際には、一生に一度もない人のほうがはるかに多いのです。

確率が低いということは、失敗したときの痛手も大きい。それは引き摺る。だから、勝利の女神を無理矢理つかまえようとする人は長く勝てないのです。

長く続けて勝つためには、やはり、慎重に謙虚にプレーして、女神に手を叩かれないようにすることが大切なのです。

謙虚にプレーするというのは、後悔を残さないように最善を尽くすということです。 そのときどきの状況の中で、いちばん安心して打てるショットを選び、最善を尽くして、後悔のないプレーをする。そうすることで、ミスをしても後に引かない。

私は、迷う心や不安な心が出てこないようにプレーすることが大切だと言ってきたわけですが、謙虚にプレーすることで流れをつかむというのも、同じ考え方なのです。

「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト社)より ※一部改変

撮影/岩井基剛

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