マッスルバックアイアンにピンタイプのパター。これぞタイガーの14本
誰もが待ち望んだタイガー・ウッズのメジャー復活優勝。ドラマチックな展開に思わず涙してしまった人もいるのでは?
さすがタイガー。すべてのクラブでのボールコントロールには目を見張るものがあった。スピンコントロールができていないと、たとえグリーンに着弾しても外にこぼれ出てしまうようなコースコンディションで、落としどころ、スピン量、球筋、すべてがコントロールできていたから勝てたと言っていい。
タイガー・ウッズのセッティングは昔からオールドタイプのハードヒッターセッティングが特徴。ユーティリティは1本も入れずにバッグに入れるのは5番ウッド。このセッティングから分かるようにタイガーにとって「狙うクラブ」は基本的にアイアンだ。
今回のマスターズで4日間のパーオン率で1位になったように、アイアンでのコントロールや精度の高さに自信があるからこそのセッティングと言ってもいいだろう。
そんなタイガーのアイアンはプロトタイプの「テーラーメイドP-7TW」。マッスルバック形状のタイガー好みの顔つきで、とにかくコントロール重視。
今回の優勝は、まさにこのセッティングだからこそのプレーを見せつけてくれた形になった。自分のコントロール下で余計なことをしないクラブ。セッティングすべてを通して、操作したら自分の思い通りに動くのが理想なのだ。
タイガーはパットも冴えていた。タイガーが使用していたのは昔から愛用しているトウヒールバランスタイプの「スコッティキャメロン ニューポートGSS」。どんなに短い距離でもしっかりヒットして打っていたのが印象的だった。
タイガーの全盛期はしっかりしたインパクトを作る打ち方で短いパットもガンガン打って勝っていた。しっかりヒットできれば、芝目や傾斜に負けづらい転がりが得やすいためイレギュラーやカップ際で垂れてしまうといったことが少なくて済むのだ。
もちろん打ち方としてジャストタッチで打つ人もいるが、ジャストタッチではカップへのラインが一筋しかない。ガラスのグリーンと呼ばれるオーガスタではちょっとしたことでラインから外れたり、少しでもタッチが合わないと入らない。
今回のマスターズでは、全盛期のタイガーを彷彿とさせるパッティングに懐かしさと勝利への確信を得た人も少なくないのではないだろうか。
パワーとテクニック、どちらも兼ね備えたこのセッティングに、タイガーのプレー。今季のタイガーはまだ何かやってくれる。残りの試合もますますタイガーから目が離せない。
【タイガー・ウッズの14本】
1W:テーラーメイド M5(9度、ディアマナD+ホワイト70TX)
3W:テーラーメイド M5(13度、ディアマナD+ホワイト80TX)
5W:テーラーメイド M3(19度、ディアマナD+ホワイト80TX)
3I~PW:テーラーメイド P‐7TW(ダイナミックゴールドツアーイシューX100)
56度:テーラーメイド ミルドグラインドRaw(ダイナミックゴールドツアーイシューS400)
60度:テーラーメイド ミルドグラインドRaw
PUTTER:スコッティキャメロン ニューポートGSS
ボール:ブリヂストン ツアーB XS
コメント/小倉勇人 撮影/姉崎正
※ファーマーズインシュランスオープンで取材
※試合によってセッティングが変わる場合があります
※本記事は、4月12日公開の記事を再編集したものです