「携帯禁止!」がマスターズの掟
マスターズウィーク真っ最中、こちらジョージア州オーガスタは街中がお祭騒ぎ。マスターズ一色に染まっております! 練習日にあたる月曜日からパトロンが入り、会場はもう試合さながらの雰囲気がプンプン。本戦が始まって、さらに盛り上がりが加速しています。
そんな中、こちらで取り上げたいのは「テレビには映らないオーガスタ」です。オーガスタには、選手のプレーだけでなく、それ以外にも驚くことがたくさんあるんです。
今回は「オーガスタは携帯禁止!」を紹介します。
携帯ですよ? 今の時代に携帯禁止なんですって! 着信音やカメラの問題は常々話題になっていますが、いい大人なんだから……。まるで、中学校とか高校の規則みたい、と思ってしまいます。
パトロンはもちろん、われわれメディアも携帯を持ってコースに行くことはできません。万が一、携帯を持っているのが見つかりでもしたら、「廊下に立ってなさい!」どころの話じゃすまないようなのです。パトロンは車のなかに携帯を置き、コースへやってくるのです。
そのためコース内には、なんと公衆電話がちらほらあるのです。公衆電話……この言葉、久々に使いました。今や死語になっている「公衆電話」がオーガスタではぜーーったいに必要なんです。その証拠に使っている人はたくさん。公衆電話、大人気です。
今の時代にこの規則を作ったマスターズ委員会には驚きですが、それを忠実に守るパトロンにも驚きです。「まぁ大丈夫だろ」という考えが一切ありません。
しかしそれも、マスターズを心から楽しもうという純粋な気持ちからくるのでしょうね。マスターズのこの独特で、世界イチの雰囲気は、かかわっているすべての人達で作り上げているんだなぁと感じました。公衆電話くらいで大袈裟ですかね……。
取材・文/五十嵐誠