7番アイアンでロフト35度。コントロール性をとにかく重視
今のご時世に3番からの8本セット。シャフトは重量スチールのダイナミックゴールドツアーイシューX100。グリップはツアーベルベット・フルコード。
お好きな方はおわかりの通り、つまり“タイガー仕様”。テーラーメイドの「P7TW」はすべてがタイガー仕様のクラブだ。
長いブレードに薄いトップライン。いかにもクラシカルなマッスルバックだが、実はヘッドの内部にはタングステンウェートが埋め込まれている。
これはナイキ時代から続く「タイガーのクラブ」の仕様。これにより弾道をコントロールしやすくなり、打感もより“深い”ものになるのだとか。神秘のベールに包まれていたタイガーの使用クラブ、その秘密の一端がここにある。
関係者によれば、「重心距離はやや長め。タングステンが先のほうに入ってるので重心はヒール寄りではなくセンターに近づけいています」という。
長らくタイガーのアイアンのロフトはいったい何度なんだ、というのも議論の対象だったが、今回その数字も明かされている。市販ロフトでは7番で35度だが、タイガーのロフトは36度。ピッチングは市販ロフトが46度に対し、タイガーロフトは49度とスペック表に記載されている。
7番アイアンでキャリーが3ヤード出すぎる、といったタイガーからの細かいフィードバックを何度も受けながらイチから作り上げたからこそ、マスターズでのあのパフォーマンスを引き出せるクラブに仕上がったようだ。弘法は筆を選ばなかったかもしれないが、タイガーは道具にはうるさい。
8つの番手、それぞれの原型を作る作業において、テーラーメイドは8セットを組み上げ、その中から5番はこれ、8番はこれというふうに、ひとつひとつお気に入りをピックアップしたという。
同社のミルドグラインドウェッジと同じ製品誤差の極めて少ない精密な機械加工技術を用いることで、“タイガーのクラブ”とまったくの同形状で製品化されている。P7TWは「タイガーのクラブ」をそのまま使えるプロダクトに仕上がっているわけだ。
当然のことながら、やさしい、上がる、飛ぶといったクラブではないはず。アベレージゴルファーにはきっと取り扱いの難しいクラブであるはず。だが、一方で、きっと手にするだけでマスターズでタイガーが見せたようなピンに絡むショットが打てるのではないか……そんな“妄想”が捗ってしまうに違いない。うーん、欲しい。このアイアンをコースで使いたい!
米国ではお値段1999ドルで5月1日にタイミングよく発売されるというこのアイアン、日本での発売は未定。たとえ20万円を超える価格だとしても、日本にも欲しい人は一定数いると思うのだが……。