ドライバーからアイアンまでとにかくやさしい
さっそくドライバーから見ていこう。シャトルゴールドドライバーは重心角32度(クラブを平らに置いたとき、フェース面が上を向く角度。これが大きいほどつかまりやすい)の超つかまり設計で、前モデルのシャトルNX-1(重心角は23度)よりもつかまえやすさが増した。
加えて、重心深度(ヘッド内部の重心からフェース面までの距離)は45ミリとかなり深重心。重心深度が深いほど球は上がりやすく、つかまりやすく、オフセンターヒットにも強くなっている。
試打に使用したのはロフト9.5度で、シャフトはメーカー純正のFUBUKI SG200のSフレックス(先中調子)。実際に打った堀口は「弾き感が気持ち良い」とコメント。
「弾きますね~。ちょっとスライスめに打ってもそんなに(右に)いかないので、つかまりの良さが出てますよね。ヘッドだけでなくシャフトも良い。しなり戻りを感じられます。(ヘッドスピード)40m/sくらいで振ってもしっかり戻ってくる感じがありますね」(堀口)
キャリー219ヤード、トータル246ヤード。打ち出し角13.3度。ヘッドスピード39.8m/sに対しボール初速59.8m/s。スピン量2391rpmという計測結果だった。ヘッドスピードに対し、よく飛距離が出ている。
続いてフェアウェイウッド(以下FW)は、低重心でやさしく飛ばせるというコンセプト。
試打したのは5番(ロフト18度)で、シャフトはメーカー純正のFUBUKI SG200のSフレックス(先中調子)。ドライバーと同様に「つかまりが強い」と試打者・堀口。「ボールを勝手につかまえてくれるのでスライスしなさそうです。シャッキっとした打音ですね」
キャリー205ヤード、トータル222ヤード。打ち出し角12.7度。ヘッドスピード39.6m/sに対しボール初速58.6m/s。スピン量3825rpmという計測結果に。つかまりが良すぎるあまり、ややフック気味のボールが散見されたから、スライスに悩む人にはいいだろう。
続いてユーティリティ(以下UT)を中村が試打。UTはヘッド上部にステンレス素材、ソールにタングステン合金素材を採用することで、FWと同様に低重心化している。
試打したのは5番(ロフト23度)で、シャフトはメーカー純正のFUBUKI SG200のSフレックス(先調子)。中村が注目したのは、その独特な形状だ。
「少しグースネックが入っていて、よりアイアンっぽい形状のUTですね」(中村)
中村が打つと、キャリー187ヤード、トータル203ヤード。打ち出し角12.8度。ヘッドスピード37.4m/s、ボール初速55.3m/s。スピン量4130rpmという結果に。
「やさしいです。打ってみると、金属的な弾き感がありますね。シャフトの先端がしっかりしていて、中間部分はしなってくれてるような感じです」(中村)
グースネックのウッド型ユーティリティはやや珍しく、見た目には好みが分かれそうだが、やさしさは高いようだ。
最後はアイアン。ロフトは7番で27度と通常の5番並みで、ぶっ飛び系の部類に入る。1.9ミリの極薄フェースによって高反発化と軽量化を図り、ヘッド後部に重量を集中させることで深・低重心化を実現。スイートスポット高さは17.6ミリ、重心深度は7.5ミリで、ミスに強く高弾道でまっすぐ飛ばせるよう設計されている。
中村が打つとキャリー154ヤード、トータル174ヤード。打ち出し角16.5度。ヘッドスピード35.0m/s、ボール初速47.3m/s。スピン量3269rpmという結果に。
「ユーティリティの流れからくるシャローなフェースで、打ってみると楽に滑ってまっすぐ、高く飛ばしてくれます」(中村)
最後に、マルマン シャトルゴールドに限らず、最近のやさしいドライバーにはある傾向が見られると中村は続ける。
「最近のドライバーを見ていて感じるのは、特にアベレージ向けモデルがそうなんですが、どのメーカーも重心角を大きくする傾向が強くなってきてますよね。全体的にフェースを返すという動きが必要ではなくなっているのかなと思います。もちろん恩恵も大きいですが、デメリットも当然あります」(中村)
フェースターンをコントロールするのが難しいアマチュアにとっては勝手につかまえてくれるのはありがたい話。だがそのぶんラウンド中の細かい調整もしづらくなっているのはデメリットだと中村は言う。
せっかくのつかまり性能も自分のスウィングに合わなければ無用の長物となってしまうので、購入前にしっかりと試打して確かめるのがオススメだ。
協力/PGST